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2011年5月26日木曜日

あなたのサイトを再点検する、50の問い(2)



昨日、思いのたけをとりあえず50項目吐露したところ、
読者様にとって読みやすかったのか、あるいは役に立ったのかはともかくw、
非常に気分が乗ってまいりましたので、今日も50項目、ブチまけてみます。

では、早速...

あなたのサイトを再点検する、50の問い(2)

  1. 顧客に、もう一度あなたの商品を買うチャンスを提示しているか?
  2. あなたの商品の何が、どこが人々の気分を良くするのか、自覚しているか?
  3. 1日に10%は、新しいビジネスについて考える時間を確保しているか?
  4. ひどい目にあった顧客と関係を絶ってしまっていないか?
  5. 感情とビジネスを混同していないか?
  6. 自分のサイトは「まぁまぁ良い」と思っていないか?
  7. コピーライティングに関する本を読んだことがあるか?
  8. 簡単な返品方法を用意しているか?
  9. ビジターの視点で、あらゆる商品を探しやすいか考えているか?
  10. メールの件名の最適化を意識しているか?
  11. デザインの決定を個人的な好みだけで下していないか?
  12. ビジターのプロファイルや属性を把握しているか?
  13. サイトのすべての部分に行きやすいナビゲーションを提供しているか?
  14. XMLのサイトマップの配置や、メタタグの工夫で検索ランクが上がると思い込んでいないか?
  15. 検索する人の意図を把握しようと努力しているか?
  16. 説得力があるオファーをしているか。例えば「送料無料」、これは最強。
  17. 広告とランディングページにシナジーはあるか?ギャップは無いか?
  18. ビジターのファーストインプレッションの重要性を理解しているか?最初の8秒が勝負。
  19. プロモーションにレビューを活用しているか?
  20. 購入プロセスの中に、無駄なページ遷移は無いか?
  21. 広告の重要性以上に、サイトの改善が重要であることを理解しているか?
  22. データに基づいて決断しているか?
  23. ソーシャルメディアに取り組む前に、オーディエンスのプロファイリングに抜かりは無いか?
  24. 売り手の都合を押し付けていないか?
  25. 店舗名は最重要キーワードに合致しているか?
  26. イベント、コンテスト、キャンペーン、懸賞の実施を検討しているか?
  27. イベント、コンテスト、キャンペーン、懸賞を計画的に実施しているか?
  28. 世間の盛り上がりや流行にきちんと便乗しているか?
  29. 商品について、話題性を付加する方法を考えているか?
  30. 看板商品は何か?それを正しくサイトで伝えているか?
  31. 競合店と差別化できる店舗コンセプトはあるか?
  32. トップページやランディングページの上部に「強み」を伝えるメッセージがあるか?
  33. 店舗紹介ページは、安心感と店舗コンセプトを伝えているか?
  34. 奇抜なレイアウトで自己満足していないか?(ビジターは迷惑している)
  35. ビジターの目を引く「特集ページ」はあるか?
  36. 値下げのバリエーションを増やして、単なる安売り店では無いと訴求しているか?
  37. 商品写真のクオリティは高いか?
  38. 送料無料金額など「ついで買い」を促す施策を実施しているか?
  39. 顧客単価と満足度の両方を高める「グレードアップ商品」を企画しているか?
  40. 商品説明で「機能」と「ベネフィット」を混同していないか?
  41. メールは必ず読んでもらえる、と勘違いしていないか?
  42. 受注後は必ず2種類の確認メールを送っているか?(受注確認と発送完了)
  43. フォローメールの有効性について考えたことがあるか?
  44. 新しい施策にいきなり高額のコストを投下していないか?(初めは安く、が原則)
  45. Web制作会社、ECサイト制作会社を過信していないか?(何とかしてくれる、は禁物)
  46. 顧客の声をスタッフ全員で共有しているか?
  47. 人気商品がヒットした理由を分析しているか?
  48. 不人気商品が売れなかった理由を分析しているか?
  49. 価格設定は合理的か、論理性はあるか?
  50. 顧客のメリットよりも先にマネタイズを目論んでいないか?

連日にわたり、何とも自己満足的なフレーバーに満ちたエントリーで失礼いたしました。

次回は、きちんとした文章を書き連ねたい、と思います。多分...


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年5月25日水曜日

あなたのサイトを再点検する、50の問い



約1ヶ月ぶりのエントリーとなってしまいました。

「早くブログを更新しないと」と気持ちは焦っていたのですが、
なかなか「これだ!」というトピックを思いつかないままに日一日と過ぎていき...

今日はもう開き直って、思いつくままに
「Webサイト、ECサイトの運営者が自分のサイトを見直す際のチェックポイント」を50件、書き連ねます。

乱文ですが(文にもなっていないか)、お役に立てれば嬉うございます。

では、以下にて...

あなたのサイトを再点検する、50の問い

  1. ビジターが知りたいことをすべて提供しているか?
  2. ビジターの不安をすべて解消しているか?
  3. ビジターのすべての疑問に答えているか?
  4. ビジターに多くの、または大きなメリットを与えることを常に志向しているか?
  5. 顧客からのリクエストに、全力で素早く丁寧に返信しているか?
  6. Webサイトに何度も戻ってきてもらえる何かを提供しているか?
  7. e-mailリストの顧客、見込み客に対して、月に一度以上、役に立つメールを送っているか?
  8. LPOのためのA/Bテストまたは多変量テストで、見出し、本文、画像の全てについて複数の案を試しているか?
  9. サイト内で嘘をついていないか?
  10. ユーザーの選択肢を極端に絞り込んだ、サテライトサイトを用意しているか?
  11. 季節感を考えているか?
  12. あなたの商品を、流行しているものと関連付けられないか?
  13. どんな批判も受け入れる覚悟ができているか?
  14. 文字数をあと少し、10%でもカットできないか?
  15. 漢字を使いすぎて堅苦しい文になっていないか?
  16. 小学生でも理解できる文章になっているか?
  17. 各ページ、各テキストのメッセージは明確か?
  18. 礼儀正しく、優しい印象を与える文章になっているか?
  19. 何かに対して、批判的な文章を書いていないか?
  20. 自己宣伝だけでなく、ビジターの役に立つ情報を提供しているか?
  21. 自分のアイデアを盲信していないか?
  22. あなたが提供する商品について、第三者の保証を示しているか?
  23. 常に定量的にサイトのパフォーマンスを測定しているか?
  24. ビジターに、いますぐ行動することのメリットを伝えているか?
  25. ビジターに、いま行動しないと後悔すると伝えているか?
  26. 人気商品の無料版、もしくは低価格版を提供できないか?
  27. 特別なメリットを得られる、メンバー専用のコンテンツは考えられないか?
  28. 適度に二人称を使っているか?(あなた、あなたの)
  29. 最初のパラグラフはもの凄く簡単でかつ説得力のある文になっているか?
  30. 最も重要なポイントを、パラグラフの始めに箇条書きにしているか?
  31. ランディングページに、コンバージョンと無関係な内容は無いか?
  32. 常に最新の情報を掲載しているか?
  33. 誰でもすぐに購入の操作ができるように配慮を尽くしているか?
  34. 商品説明に「見出し」「つかみ」「メリット」「販売への結び」がすべて含まれているか?
  35. 見出しに、ビジターの興味を引くだけの魅力はあるか?
  36. 他の人たちとあなたは何が違うのか、わかりやすく説明しているか?
  37. ビジターが心の中で否定したくなる部分が文章に含まれていないか?
  38. ビジターが読む気を無くす、長いパラグラフを使っていないか?
  39. あなた自身の写真を載せて、ビジターを安心させているか?
  40. あなたの商品を使った体験を、動画で生き生きと見せているか?
  41. 不特定多数ではなく、一人の完璧な顧客をイメージしてライティングしているか?
  42. 見込み客が、あなたの顧客となったときのことを想像できるように工夫しているか?
  43. ビジターが一目置く人からの支持を得ることはできないか?
  44. あなたが言っていることが真実であると証明する何かを示しているか?
  45. 少なくとも一つの高額商品を用意して、他の商品をお手頃価格に見せているか?
  46. 注文ページはこれ以上ないほど簡単に、わかりやすく作られているか?
  47. すべての画像にキャプションを付けているか?
  48. 見込み客にたくさんの選択肢を与えすぎていないか?(迷いすぎた人は購入しない)
  49. 優先配達できる方法を用意しているか?
  50. フォントサイズを上げる余地は無いか?

...まったく、順序も分類も考えない、手抜きなエントリーで失礼しました。

と言いつつ、まだまだ言ってみたいこともありますが、今日はこの辺で失礼します。

後日、続編を書いてもよろしいでしょうか?


で、では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年4月26日火曜日

EFOのツボ×10選 (有料のツールに走る前に知っておきたい基本)



今日はEFO(Entry Form Optimization、エントリーフォーム最適化)について記します。

EFOについては便利な有料のツールがたくさん出回っていますが、先ずは基本をおさえてできる事から実践してみて、選択眼を養ってから有料のツールを選択した方が良いと思います。

基本的な心構えとして、エントリーフォームを開いたビジターは、リアル店舗に例えると「ショップスタッフに近づいて行った来客」です。もちろん、あなたはショップスタッフであり、エントリーフォームはその分身です。満面の笑顔で、お客様のどんなお困り事にも最善を尽くして対応する覚悟で臨みましょう。

では早速、順番に挙げていきます。

1.入力項目は極力少なくする。

ビジターの視点で、最も理想的なフォームは入力欄がメールアドレスだけというものです。これをスタート地点として、どうしても必要な項目のみを最小限、追加して行きましょう。

アンケート欄や住所入力欄を設けるのは、最後の手段と思ってください。何かを郵送する場合など、本当に必要であれば止む無しですが、その場合でも郵便番号から住所を検索する機能は、今どき必須中の必須ですね。それを面倒だと嫌がるクリエイターは、業界から消えて頂きましょう。

2.入力必須項目と任意項目を、直感的に区別できるように。

そもそも任意項目などは無いのが理想的ですが、そうもいかない場合は、人間の目線の動きを意識して、100人のビジター中 100人が「必須」と「任意」をひとつも間違えない、そんなフォームにしましょう。

3.エラーメッセージはわかりやすく。

どの入力項目で何がエラーなのか、ビジターが1秒以内にわかる「場所」と「表現」で表示しましょう。特に「場所」は重要です。必ずエラーが発生している入力フィールドのそばに配置するのが当然と心得ましょう。

4.エラー発生箇所を目立たせる。

前項の心得に加えて、エラー発生箇所に目立つ色を使って反転表示させるなどすると、ビジターがエラー箇所を発見する時間がさらに0.5秒以上短縮されるでしょう。

5.エラーを発生させないように、あらゆる書式を受け入れる。

そもそも、入力エラーを発生させないためにはどうすれば良いか?これを真剣に考えましょう。入力項目を減らすのが最も有効ですが、電話番号のハイフン有り無し、数字の全角半角漢字、全てを受け入れる度量が必要です。

6.入力された情報を保存する。

入力中にPCやネットワークにトラブルが起きたとか、止むを得ない事情で入力を中断した人を、菩薩様の気持ちで救済しましょう。実装が面倒だとか思ってはいけません。あなたは菩薩様なのですから。

7.ブラウザの「戻る」ボタンを使用不可にしない。

アプリ開発に関わった事がある人は「戻る」ボタンが押される事を好まないケースが多いのですが、一般的なビジターの皆さんは「戻る」ボタンが大好きです。というか「戻る」ボタンを使用不可にするのはもはや嫌がらせである、と悔い改めましょう。

8.フォーム上の文章は最少で、しかしわかり易く。

フォーム上に文章が多いと、「これ全部読めっての?面倒くさ」と気分を害するのが自然な人間心理です。簡潔でわかり易い文章を、脳細胞を結集させて考えましょう。

9.親切なヘルプを簡単に表示させる。

どんなに必死にわかり易いテキストを考えても、やはり全てのビジターが全てを理解する事はあり得ないと心得て、少しでもビジターが戸惑いそうな入力欄には、[?]表示→クリック→解説を表示、の様な親切なヘルプを用意しましょう。それを面倒だと嫌がるクリエイターは(以下しつこいので略)

10.ビジターに安心して頂く。

インターネットの世界は、深夜の歌舞伎町以上に恐いところだ、と思っている人はたくさんいます。安心して情報を入力して頂くために、フォーム画面の中では「個人情報保護法を遵守」「SSLで暗号化」「デジタル証明書」の3点セットは必ず謳って/表示しておきましょう。


...まあ、当たり前の事ばかりなのですが、基本中の基本を書き留めたブログがあってもいいかなw なんて思ってみたり。


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年4月13日水曜日

SEM・これだけはやってはいけない 10選



さて今日は、SEMについて「それだけはヤっちゃダメ」×10ヶ条を記してみます。ここでは、SEOを含まない狭義のSEMと言いますか、いわゆる「検索連動型リスティング広告」に限定した話題ですのでご了承を。

ダメ1. いきなり大量の予算を設定してしまう

例えば年間の総予算を獲得できたとします。それを単純に12等分して、最初の月から1/12の金額を上限設定するのは、お金の無駄遣いですから止めましょう。例えSEMに精通した人であっても、新しい商品、新しいキャンペーンとなれば、試行錯誤を経てROIが最適化されていくのが常です。先ずは少な目の予算上限設定からスタートしましょう。

ダメ2. ビッグワードに挑みかかる

「化粧品」とか「中古車」といったビッグワード単体での検索ボリュームは、月間で150万~200万件にも達します。これだけたくさんの潜在顧客がいる!とは間違っても思わず、手ごわい競合他社の広告がたくさん出てくる、と解釈しましょう。

自社のビジネスのテーマに沿った単語をひとつ、例えば「アンチエイジング」とか「輸入」などと加えるだけで、検索ボリュームはかなり減少しつつ、厳選された潜在顧客のみに向けて、少ない競合他社との勝負に持ち込む事ができます。

ちなみにキーワード探しについては、このブログの前回のエントリー、「キーワード探しは、自分探しの旅(サイトに適したキーワードを選ぶ)」もご参考にどうぞ。

ダメ3. ずさんな予算配分

以前、「AdWords-週1時間以内でできる、3つのチェックポイント」とのエントリーで、「成果に応じた、キーワードごとの単価設定」「ROIに応じたキャンペーンごとの予算配分」「最も効果的な時間帯に広告を掲載」といった事を書きましたが、まあそんな感じで、毎週1回、10分だけでも費やして、予算配分を必ず見直しましょう。

ダメ4. CPCの損益分岐点を考慮しない

こちらも上記と同じエントリーで、「売上とコストの関係を確認しよう」「入札単価と予算の最適化を図ろう」との呼びかけを行ってみました。損益分岐点に敏感になるのは当たり前のはずですが...会社のお金について損得に鈍感な人は、「ぶら下がり社員」認定ですね。

ダメ5. 登録したキーワードをチェックしない

これももちろん、定期的な(毎週の)チェックが前提になります。成果の低いキーワードがあれば、高い成果をあげているキーワードを参考に、より商品を具体的に表したものに変更しましょう。

ダメ6. SEOと全く同じキーワードばかりを選んでしまう

例えば本ブログの前回のエントリーを参考にしたりして、最重要キーワードや重要キーワード群を選び抜いた時の、キーワード管理リストを見直してみてください。それらのキーワードと、同じ意味だけど別の言葉、同じ意味を表す英語その他のポピュラーな外来語などはありませんか?CPC広告では、そういったワードで検索する人たちも想定して、キーワードリストに加えてみましょう。

ダメ7. 競合他社の広告テキストの偵察を怠る

広告グループの中で様々な広告テキストを作成し、クリック率を比較する必要があるのはもちろんですが、その際には「敵の戦い方」も偵察してテキストを考慮しましょう。「この広告テキストで勝負できるか?」は、競合他社が表示させている広告と比較するとわかりやすいはずです。

ダメ8. 季節性や地域性を考えない

例えば自動車でも、春夏秋冬、それぞれに応じた使い方や行き先がありますよね。様々な使用シーンを想像して、検索ワードに季節の変化を付けてみましょう。

また、「瞬!ワード」の様なサイトで、「今」検索数が多い、旬のワードを自社の商品と結び付けてみるのも良いかもしれませんね。

あとは、地域性。これは非常に大事です。遠方のお客様にはサービスを提供できない場合は、無駄なクリック=コストを抑えるために、必ず「ターゲット地域」(AdWords)、「地域ターゲティング」(Yahoo!リスティング)で、広告を表示させる地域を限定しましょう。

ダメ9. 「完全一致」や「除外キーワード」の設定を検討しない

デフォルトの「部分一致」だけでは、無駄な検索を呼び込んで、クリック率を下げる(=品質スコアを下げる)危険性があります。「完全一致」を使うと自社の商品にピタリとあったターゲットのビジターを誘い込める可能性がありますし、「除外キーワード」を用いると、同じ単語でも全く違う意味を持つものを検索しようとしているビジターを除外する事ができるのです。

...ちなみに、「クラウド」で検索すると、クラウドコンピューティング関係のサイトに混じって、美少女ゲームブランドについてのサイトや、某有名タレントのオフィシャルブログが登場したりします。こんなケースでは除外キーワードが活躍しそうですね。

ダメ10. むやみに検索して、広告を表示させてみる

これは企業内で非常にありがちな光景です。経営層から営業部門から技術部門から、果ては広告出稿の主体たるマーケティング部門まで、全社の至るところで自社のリスティング広告がどんな順位で、どの様なイメージで表示されるか確かめてしまう、そんな光景に覚えはありませんか?

クリックすると料金が発生するのでさすがに皆さん、クリックはしないと思いますが、クリックしなくても弊害が発生します。そう、クリック率が落ちる=品質スコアが落ちるのです。なんと恐ろしい。全社的に注意を喚起しておきましょうね。


さて、今日はこの辺で。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年4月5日火曜日

キーワード探しは、自分探しの旅(サイトに適したキーワードを選ぶ)



前回のエントリー3分でわかる、かもしれない「SEO・内部対策30選」で、30選の最初に書いた「対策の対象とする、キーワードを適切に決める」、その方法について今回は記します。こちらを先に書いた方が良かったですね。

あなたが自分のサイトにリンクさせたいと思っているキーワードは、実は大企業のサイトや人気サイトとは勝負にならないレッドオーシャンなワードかもしれません。あるいは、他の人や検索ロボットから見たら、サイトとの関連性がわかりづらいワードかもしれません。また、本当に自分のサイトにピッタリで、多くの人から探してもらいやすいワードを見逃しているかもしれません。

そう、キーワード探しは、自分探しの旅なのです。

...さて、先ずは旅立ちの準備として、自分のサイトの軸となるテーマをひとつだけ決めてください。

次に、自分のサイトのテーマに合った、ユーザーがいかにも検索に使いそうなキーワードを、複合語を含めてたくさん想像してみましょう。これらのワードをベースに取捨選択、追加していくのが「キーワード探しの旅」です。

次いで、「AdWords キーワードツール」を用いて、それらのキーワードによる検索ボリュームや、よく組み合わされる複合語の例をチェックしてみましょう。

※チェックしたキーワードは、「ダウンロード」ボタンによって一覧をExcel用csvファイルにエクスポートできます。この一覧を以後、「キーワード管理リスト」と呼びます。

キーワード管理リストを精査して、「検索ボリューム」と「自分のサイトのテーマに合致しているか」の両面から重要度を判定して順番を並び替えておくと、その後のサイトづくりや検索エンジン対策に大いに役に立ちます。

というよりも、この考察と作業を怠ってしまうと、ボタンを掛け違えたままサイトの制作&運営へと突き進む、勝つ算段の無いチキンレースへと突入してしまいます。

さて次は、AdWords キーワードツールのウラ技を使いましょう。

それは「人気サイトに効いているキーワードを拝借する」という荒業です。

手順は、自分のサイトと同ジャンルの人気サイトと、自分のサイトの検索に想定しているキーワードで検索した時に上位に表示されるサイトのURLを逐一コピーして、AdWords キーワードツールの「ウェブサイト」欄にペーストし、「検索」ボタンをクリックするだけです。

するとあら大変、その人気サイトに有効な検索ワードの一覧が、画面の下半分に検索ボリュームや競合性と共に表示されます。この一覧も「ダウンロード」ボタンでcsv形式にエクスポートできるので、検索ボリュームが多いワードは是非、キーワード管理リストに加えておきましょう。

さて、ここでさりげなく「競合性」という言葉が出てきましたが、これは「競合するページがどれだけ存在するか」という視点であり、検索ボリュームと同様に考慮すべき重要な事項です。

まあ通常は検索ボリュームが多いキーワードは競合性も高い傾向にあるわけですが、「競合性が高くても、他のサイトがそのキーワードは重視していない」場合、そのワードは掘り出し物と言えるでしょう。

掘り出す方法は3種類。検索ボリューム&競合性が高いキーワードで検索を実行し、表示されるサイトの一覧から、下記をチェックしてみましょう。

  1. ページのタイトルにそのキーワードが含まれているか?
  2. 重視されているワードは、タイトルに含まれているはずです。含まれていなければ掘り出し物。
  3. URLのスラッシュを数えてみる
  4. スラッシュが多い、すなわち階層が深いページにあるという事は、そのワードは重視されていないと見て良いでしょう。
  5. PageRank
  6. PageRankの低いページにばかり使われているようでは、そのキーワードは恐れるに足らず。いやそれは言い過ぎw

そんな感じで掘り出し物キーワードが見つかったら、キーワード管理リストの中でマーキングしておきましょう。

ところで、キーワードツールの他にも、キーワード探しに役立つ代物があります。

それは「関連検索」。GoogleでもYahoo!でも、検索結果画面の最下部に、「...に関連する検索キーワード」(これはGoogleの例)といった形で、検索に用いたワードに関連するワードが10種類ほど表示されます。ここにも「これは!」と思う検索ワードがあれば、是非キーワード管理リストに加えましょう。

さてさて、キーワード管理リストが熟成されてきたら、いよいよ「自分のサイトにとっての、メインのキーワード」を選定しましょう。「キーワード探しの旅」のクライマックスです。

先ず、冒頭で定めた自分のサイトの軸となるテーマに、最もマッチするキーワードをひとつだけ決めてください。これは、ページタイトルの先頭に配置する最も重要なキーワードです。「最重要キーワード」と呼びましょうか。

次いで、キーワード管理リストの中から、「自分のサイトのテーマにふさわしい」「検索ボリュームが大きい」「掘り出し物キーワード」の3つの視点で、キーワードをピックアップしていきます。

サイトのテーマに地域が関連する場合は当然地域名も重要なキーワードになりますし、ECサイトの場合はショッピングの定番用語「割引」「格安」「激安」「送料無料」「口コミ」「おすすめ」「人気」「評判」「注目」「厳選」「安心」なども有効でしょう。選択されたキーワードたちは、「重要キーワード群」とでも呼びましょう。

遂にこれで、「自分のサイトの軸となるテーマ」「最重要キーワード」「重要キーワード群」がより抜かれました。さあ、前回の3分でわかる、かもしれない「SEO・内部対策30選」を参照して、人間にも検索ロボットにも好かれるサイトを作りましょう。Good Luck!


...SEO的な話題が続いたので、次回はSEMについて書いてみようか、と思います。


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年3月29日火曜日

3分でわかる、かもしれない「SEO・内部対策 30選」



SEOと言うと、ご存知のように「内部対策」と「外部対策」があります。
後者は非常に重要ですが、自分の力や予算だけでは限界があり、巨大な企業と戦うにはそれなりの難しさに遭遇します。一方前者の「内部対策」は、いわばSEOの必要条件、前提条件とも言うべきもので、これをやらなければお話にならないという代物です。

内部対策にも色々あり、それぞれの有効性をめぐって諸説ありますが、真相はGoogleやYahooの「中の人」のさらに一部の人しか知らないわけで、今回は「とりあえず効くんじゃないかと思う内部対策をひと通り、3分でわかるように頼む!」という人のためにざっと記します。

※とは言え、以下で最初に記している「キーワード選定」はSEOの肝心要の存在、非常に重要なので、近い内にあらためて独立したエントリーにします。

SEO・内部対策 30選
  1. 対策の対象とする、キーワードを適切に決める。
  2. 自分が想定するビジターの気持ちになって、サイトの軸となるキーワードを決めましょう。
  3. テーマごとにサイトを別にする。
  4. サイトのテーマが明確な方が、検索エンジンが評価しやすくなります。
  5. URLを変更しない。
  6. URLを変更すると、検索エンジンの評価がリセットされるという恐ろしい仕打ちを受けます。
  7. トップ以下、各ページの<title>タグの先頭にキーワードを置く。
  8. キーワード+(半角スペース)+サイト名、とすると良いかと。
  9. <meta description>にもキーワードを含めて、サイトの説明を150文字くらいでわかりやすく書く。
  10. 検索結果には、通常は<meta description>の記載内容が表示されます。キーワードの前後の文章が抽出される事にも注意しましょう。
  11. キーワードを含めたリード文を設けて、キーワードを早めに登場させる。
  12. <body>タグの中で先頭近くにキーワードを置くと有効です。<meta description>のような、短めのリード文を置くと良いでしょう。
  13. 見出しにキーワードを含める。
  14. 例えば<h1>にはページタイトルと同じキーワードを含め(h1では文字サイズが大きすぎてイヤな人は、CSSで調節しましょう)、<h2>以下もキーワードになりそうな語句を含めましょう。
  15. ナビメニューには、キーワードになりそうな語句を含める。
  16. カテゴリー毎にページが構成されるサイト構造にすると、サイドナビにカテゴリー名が並んで、それぞれが検索クエリに含まれるキーワードになったりします。
  17. 画像や写真には<alt>タグでキーワードを仕込む。
  18. ナビメニューのカテゴリーと同様、キーワードになりそうな語句を仕込んでおきましょう。
  19. 複合語で検索されそうなワードは、<meta description>や本文中で近接させる(互いに近くに置く)。
  20. 効果があると思います。多分あるんじゃないかな。
  21. 代名詞よりもキーワードを使う。
  22. せっかくですから、「このサイトでは」とか書くよりも「この(サイト名)では」といった記載にしましょう。
  23. リンクの表記にも、キーワードを使う。
  24. 「詳細はこちら」「TOPへ」よりも「(検索されそうなワード)のページはこちら」「(サイト名の)TOPはこちら」にしてあげた方が、ロボット(クローラー)に親切ですw
  25. トップページからリンクを張る。
  26. ロボットはトップページを頻繁に巡回します。アピールしたいページへのリンクを配置しましょう。とはいえ、あまりたくさん配置し過ぎると、ひとつひとつのリンクの価値を下げるので、厳選したリンクのみを置きましょう。
  27. サイトマップを作る。
  28. サイトマップは、リンク集でもあります。サイトマップは、人間にとってもロボットにとっても、ページを巡回するのに便利なのです。
  29. パンくずナビを使う。
  30. パンくずナビは、人間にとってもロボットにとっても(以下繰り返しw)。
  31. 関連ページの間で相互にリンクを張る。
  32. 自分のサイトの中でも、関連性の高いリンクは高評価につながります。
  33. フッターもキーワードのリンクとして活用する。
  34. サイトマップやパンくずナビと同様ですね。
  35. サイト内ではURL表記を統一する。
  36. サイト内にリンクを記述する際「http:/toppage.com/」も「http:/toppage.com/index.html」も同じページに遷移しますが、ロボットは別のリンクとして認識します。これはもったいない。
  37. キーワードは全テキストの5%程度にする。
  38. キーワードの乱発でスパム認定されてしまっては最悪です。程よい分量がよろしいようで。
  39. ひとつのページに大量のアフィリエイトリンクを設置しない。
  40. アフィリエイトリンクは、過剰に配置するとサイトのテーマ性が混乱するのか(?)評価が下がると言われています。
  41. FAQを作る。
  42. みんなが知りたい情報をちりばめたFAQやQ&Aコーナーを設けると、インリンク(被リンク)が増える可能性があります。
  43. ランキングページを作る。
  44. 人は「ランキング」が好きなようです。すぐに順番を付けたがるw。サイトのテーマに沿ったランキングのページを作ってみましょう。
  45. シンプルなHTMLにする。
  46. ロボットが嫌いなものといえばフレーム、得意ではないものが<table>と30KB以上のHTMLファイル(JavaScriptは別ファイルにしましょう)、無視するものがFlash、JavaScript、画像、動的URLのサイト。
  47. トップページからの階層を浅くする。
  48. ロボットは深い階層のページを巡回しないようです。3階層まで、せいぜい4階層までにしましょう。
  49. ページを頻繁に更新する。
  50. 頻繁に更新されるページほど、ロボットが巡回する頻度が上がります。ただ、トップページからそのページへリンクが張られている必要があります。
  51. サイト全体のボリュームを増やす。
  52. これには時間が必要ですが、ページが多いサイトの方が、情報が濃い良質なサイトであると評価されます。
  53. ブログサービスを利用する場合は「静的URL」「HTML編集可能」を選ぶ。
  54. これまでに述べてきた内容から、そういうことになります。
  55. 古いページから新しいページにリンクを張る。
  56. 古いページは検索エンジンの評価が高いので、ぜひ利用して新しいページへのリンクを設置しましょう。
  57. 「Yahoo!カテゴリ」にサイトを登録する。
  58. 少なくとも、Yahoo!JAPANからの評価は上がるのではないかと...これは内部対策ではないw
  59. 「Google ウェブマスターツール」にサイトを登録する。
  60. Google に早くサイトを認識して貰うには有効です...おっと、これも内部対策ではないかw

...最後はまるで数合わせのように2件押し込んでしまいましたがw、全体的に楽しんで頂けましたでしょうか。

次回はキーワード選びのあの手この手について書き連ねます、多分。


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年3月18日金曜日

無料のLPOツール-Googleウェブサイトオプティマイザー(多変量テスト編)



前回の「無料のLPOツール-Googleウェブサイトオプティマイザー(A/Bテスト編)」に続いて、今回は「多変量テスト」について記します。

●多変量テスト
ページ内の様々なコンテンツパターンを比較するテスト。
(例:2種類の見出し、3種類の画像、2種類の商品説明を組み合わせてテスト)

Googleウェブサイトオプティマイザーの設定方法は、前回記したA/Bテストと同じ要領でできます。異なるのは、トラッキングスクリプトを、見出しや画像などのセクションごとに配置する点くらいと言って良いでしょう。

そういうわけで、今回は設定方法について書き連ねる事はせず、多変量テストについて気に留めておきたい事を記します。

多変量テストは、A/Bテストによってコンバージョンに達しやすいページのデザインパターンを発見した後に、そのデザインパターンで最も効果が高い「表示要素の組み合わせ」を探求するテストです。

例えば、上記の様に「2種類の見出し、3種類の画像、2種類の商品説明を組み合わせてテスト」する場合は、2×3×2=12種類のパターンを比較する事になります。

ここで注意すべきは、A/Bテストよりもはるかに多くのパターンを比較するが故に、長いテスト期間を確保して、充分なデータを取得しなければならない点です。

それは、トラフィックが少ないサイトでは、充分な量のデータを取得する事が難しいという意味でもあります。

ですから、自分に与えられた時間と、自分のサイトが集めているトラフィック量を考慮して、テストするパターンを厳選して最少化する事をお勧めします。

それからもう一点、ベストなパターンを特定する前に、ダメなパターンを見極めて順次テストから除外していく事も有効です。

ダメなパターンは、Googleウェブサイトオプティマイザーの管理画面にそれぞれのパターンのコンバージョン率やコンバージョン数が表示されるので、簡単に発見して「無効」とする事ができます。この管理画面を定期的に、トラフィック量にもよりますが少なくとも一週間に一度はチェックする必要があるでしょう。


前回と今回は「LPO」をキーワードにGoogleウェブサイトオプティマイザーによるA/Bテストと多変量テストを紹介しましたが、これらのテストはもちろんランディングページ以外でも実行できます。ランディングページからコンバージョンに至るまでのコンバージョン・ファネルの中で、離脱率が高い=ボトルネックとなっているページから着手すると良いですね。

2回にわたってお伝えしたかったメッセージは、コンバージョンを改善するためのA/Bテストや多変量テストは、(少なくとも)Googleウェブサイトオプティマイザーを使えば簡単にできますよ、という事です。ぜひお試しください。


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年3月11日金曜日

無料のLPOツール-Googleウェブサイトオプティマイザー(A/Bテスト編)



前回に続き、ありがちな光景-マーケティング部門の責任者は、焦っていた。AdWordsへの投資を続けて、自社のWebサイトにそれなりの数のビジターを呼び寄せる事はできている。しかし、彼がビジターに期待するゴール...サイトでの購入、資料請求、問い合わせなどの「コンバージョン」に達する数があまりにも少ない。

例によって、営業部門や経営層から激しい口撃を受ける。「Webからの顧客発掘ができていないが、マーケティングは何をやっているんだ」... 苦悩する日々の中でふと、「LPO」(ランディングページ最適化)というテクニックの存在を知り、部下にLPOツールを選択させ、とあるASPツールを契約した。

「これでコンバージョン数が増えるだろう」(‐^▽^‐) との期待とは裏腹に、部下が(素晴らしい機能の数々を揃えた)LPOツールを使いこなす事ができず、当然自分で指導する事もできず、コンバージョン数は全く増えない。

ASPのコストは毎月しっかりと請求される。社内のあちらこちらから、自社のWebサイトについて色々な意見が出始めて収拾がつかなくなり、彼/彼女はますます苦境に...


という事態に陥る前に紹介したいツールが、必要にして充分な機能を備えつつ(つまり使いやすい)、無料で使用できる「Googleウェブサイトオプティマイザー」です。なぜか、日本ではあまり普及していませんが、これは便利です。しかも、どれだけ使っても無料。

Googleウェブサイトオプティマイザーの活用方法としては次の2通りがあります。

●A/Bテスト
2種類以上のページについて、コンバージョン率を比較するテスト。

●多変量テスト
ページ内の様々なコンテンツパターンを比較するテスト。
(例:2種類の見出し、3種類の画像、2種類の商品説明を組み合わせてテスト)

今回は先ず、A/Bテストについて記します。以下のステップでテストを実行しましょう。

拍子抜けするほど、簡単です。

I. プランニング
  1. テストページを決定する
    今回のエントリーの文脈では、テストするランディングページを選択する、となります。
  2. コンバージョンページを決定する
    既に決定している事とは思いますが。
  3. テストするページパターンを作成する
    テストページの別バージョンを作成します。テストを実行している間は、複数のテストページの中から1つがランダムに表示され、コンバージョンページに到達するユーザー数が多いページを特定できます。
II. テスト設定&実行
  1. ウェブサイトオプティマイザーにログインする
    http://google.co.jp/websiteoptimizer からGoogleアカウントでログインし「利用開始」をクリックすると、規約の表示を経て「テストリストページ」が現れます。
    ・ここで「新しいテストを作成」をクリックし、「A/B テスト - テストを迅速に開始する最も簡単な方法」を選択してください。
    ・次に出てくる画面は、「I. プランニング」で記した3つのステップを記しているので、そのまま「上記の手順を完了し、テストを開始する準備が整いました」 をオンにして、 「作成」をクリックしましょう。
  2. テストページ情報を指定する
    ・「テストの名前」「テストするページの名前とURL」「コンバージョンページのURL」の3つの情報を入力すると、URLの検証が行われます。
    ・それぞれについて、「ページが見つかりました」と表示されたら「続行」をクリックしてください。
  3. テストページにタグを追加する
    ・「JavaScriptタグのインストールと検証は誰が行いますか?」と表示されますが、ここでは説明を簡潔にするために「お客様で JavaScript タグのインストールと検証を行います」を選択し、「続行」をクリックします。
    ・テストするページ(オリジナルページと各パターンページ)とコンバージョンページに対応するトラッキングスクリプトが表示されるので、コピーして各ページの</head>の直前に配置します。
    ・なお、オリジナルページには「制御スクリプト」を<head>タグの直後に置きます。
    ・「ページを検証」をクリックし、検証が完了したら「続行」をクリックします。
  4. テストをプレビューして開始する
    ・これで設定は完了ですが、念のために「プレビュー」をクリックして、ページの選択が誤っていない事を確認しましょう。
    ・そして、「テストを開始」をクリックすると、いよいよテスト開始です。
    ・オプションとして、「このテストを通して送信されたトラフィックの合計」で、テストに参加するユーザー数を制限できます。
    ・また「掲載結果の低い組み合わせを自動で無効にする」をオンにすると、成果の低いページの表示を自動的に停止させる事ができます。
III. レポート確認

テストを開始すると、テストページの表示回数とコンバージョン数が記録されていきます。これらのデータを確認するには、テストリストにある各テストについて「レポートを表示」をクリックします。もちろん、レポートは定期的にチェックしましょう。


と、書き連ねてきましたが、強調して伝えたい事は、

「LPOにお悩みのあなた、Googleウェブサイトオプティマイザーを使えば、A/Bテストは思ったより"はるかに"簡単ですよ、しかも無料」

という事です。Google Analytics や AdWords と一緒に使う事でさらに便利になりますが、ウェブサイトオプティマイザー単体でも非常に有効に使えますので、ぜひお試しを、とお勧めします。

次回は、多変量テストについて記す、かもしれませんw


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年3月3日木曜日

3分でわかる、AdWordsの「品質スコア」



ありがちな光景-マーケティング部門の責任者は、AdWordsについては知っている。「何となく」知っている。彼/彼女は、営業部門から「Webからのリードが少ない」と責められる。そして、部下に言う。「AdWordsの予算を増やして、検索結果の一番上に表示される様にせよ」

...検索結果を引き上げるための方策として、上限予算を増やして、キーワードのクリック単価を引き上げる事は、間違いではありません。が、それだけでは予算の無駄遣いです。

Googleは、広告がクリックされる事で収益を得るわけですから、クリックされやすい良質な広告を高く評価して、目立つところに配置するアルゴリズムも用いています。この評価指標が「品質スコア」で、AdWordsに関わる人は下記の公式を記憶しておかねばなりません。

AdWords広告の掲載順位は、(入札価格)×(品質スコア)=(広告ランク) によって決まる。

つまり、予算を増やさなくとも、品質スコアを改善すれば、広告の効果は大きくなるわけです。

品質スコアを確認する手順はこちら。

さて、品質スコアは下記の要因で決定されます。

Googleと検索ネットワークの場合

  • キーワードと広告の過去のクリック率(これが最大の要因と思われます)
  • 検索クエリと広告テキストとの関連性(次に大きな要因はこれですかね)
  • キーワードと広告テキストとの関連性(これも大きい)
  • アカウントの履歴(アカウントの全ての広告とキーワードのクリック率。新しいアカウントは当然不利)
  • ランディングページの品質(これも重要。広告との関連性をはじめ、操作性、表示速度など)
  • 広告が表示される地域でのアカウントの掲載結果
  • その他の関連性(内容は非公表)

コンテンツネットワークの場合
  • 広告およびキーワードとサイトとの関連性(最大の要因)
  • 広告が掲載されるサイトや、同様のサイトでの過去の広告の掲載結果
  • ランディングページの品質(広告との関連性、操作性、表示速度など)
  • その他の関連性(内容は非公表)


では、品質スコアを改善するためには、具体的に何をすれば良いのか?

  • 「広告のゴール」をいま一度確認する:次の3点を常に渇望して、狙い通りのビジターを呼び寄せる事にフォーカスして活動しましょう。「クリック数を増やしたい」「クリック率を上げたい」「ROIを上げたい」。

  • AdWordsアカウントを構成しなおす:AdWordsアカウントは、「アカウント」-「キャンペーン」-「広告グループ」の階層構造となっているわけですが、商品やターゲット顧客に合わせてキャンペーンと広告グループを分類する事は、 品質スコアの改善に寄与します(もちろん、効率的な管理にも有効)。特に注意すべき点として、広告グループにたくさんのキーワードを詰め込み過ぎない事と、広告グループ間で重複するキーワードを使う事は避けましょう(異なる広告グループに同一のキーワードを設定すると、自分自身と競合してしまいます)。

  • わかりやすく、ターゲットが明確な広告を作成する:広告をクリックしようとしているユーザーを混乱させたり、裏をかいたり、騙したりしようと企む事は厳禁です。「シンプルで、よりわかりやすく」これがあなたが広告を書く際のモットーであるべきです。そして、必ず広告グループの中で複数の広告をテストして、どれが最も効果的か、そうでないかを指標で見極めてください。

  • ランディングページを最適化する:前述の様に、ランディングページのクオリティはAdWordsの品質スコアを構成する重要な要素です。ページの構成としては、正しくSEO設計されているサイトは、AdWordsでも高く評価されると考えて良いでしょう。つまり、ページ内に検索キーワードと広告テキストに沿った内容が、検索エンジンが解釈しやすい形で配置してあるか?が重要です。そして、ビジターの視点で、ランディングページを起点とするリード生成プロセスまたは購入プロセスを注意深く検証してください。一般的には、サイト内でのクリック数を減らす事で、ユーザーは欲する情報に達しやすくなります。なお、コンバージョン状況を改善するためには、Googleウェブサイトオプティマイザーが有効に活用できます。

  • 関連するキーワードとプレースメント(ディスプレイ広告の場合の掲載場所)を注意深く選択する:キーワードとプレースメントターゲットの関連性が高くなるほど、未来の顧客は広告を発見しやすくなり、品質スコアも向上します。「絞込み」を怠る事は簡単ですが、量と質はイコールとなりません。キャンペーンに含めるキーワードとWebサイトについては、自分自身が最も厳格な批評役となって、厳しく分析しましょう。

  • 常にテストし、結果を追跡する:CPC広告においては「設定して、忘れる」行為は最悪です。品質スコアの向上に限らず、マーケティング/プロモーション担当者としては、「現状に満足しない」「追跡、テスト、追跡、テストを果てしなく繰り返す」を基本的な振る舞いとしたいものです。

...毎回、思いつきでトピックを決めていますが、そろそろ
「Googleウェブサイトオプティマイザー」について書き散らかしたくなってきました。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月27日日曜日

AdWords-週1時間以内でできる、3つのチェックポイント



Google様から私たちビジネスパートナーに、素敵な小冊子(風に上手に折りたたまれたリーフレット?)が送られて来ました。タイトルは「AdWords 収益向上の秘訣  週1時間以下のチェックで収益力アップ」…素敵なタイトルではないですか。

今回はぜひ、この小冊子風リーフレットの内容を皆さんとシェアさせてください。AdWordsを有効に活用するための、勘所が凝縮されています。

というわけで以下、「要点を3分で頼む」という方向けの、要約+注釈です。

チェック1. 売上とコストの関係を確認しよう(毎月1回、約5分)

少なくとも月1回はAdWordsのROI(投資収益率)を、次の方法で確認しましょう。

ROIの計算方法:(売上ー広告費用) ÷ 広告費用
例:(売上20万円ー広告費用5万円) ÷ 広告費用5万円 = 3

この例では広告費用1円あたり3円の収益が得られる事を示しています(一般に、ROIがゼロより大きければ、AdWordsに投資した金額以上の見返りがあると言えます)

注釈1. 当然ですが、計算に用いる売上金額は、AdWordsから発生した売上のみを判別できる様、事前に段取を考えておきましょう。Googleのツールでは「コンバージョントラッキング」が便利です。
また、できれば売上では無く利益をベースに計算するべきで、そのためには各商品の粗利額を知っておく必要があります。

注釈2. コンバージョン1件あたりの売上(利益がベター)が、コンバージョン1件あたりのAdWords費用を上回っているか?を確認した方が、金銭感覚的に広告効果を把握しやすい人もいるかもしれません。このブログの過去のエントリー「CPC広告の投資対効果をどの様に計測していますか?」も参考にどうぞ。


チェック2. キャンペーンを定期的に見直そう(毎週1回、約30分)

ステップ1. 過去1週間の掲載結果を確認

管理画面で、過去7日間の「クリック率(CTR)」「平均掲載順位」「品質スコア」「コンバージョンデータ(コンバージョントラッキンングの導入が必要)」などの主要データを確認します。

ステップ2. キーワードリストの見直し

成果の低いキーワードがあれば、高い成果をあげているキーワードを参考に、より商品を具体的に表したものに変更しましょう。新しいキーワードの追加や、除外キーワード(商品に関連の無い広告の表示をブロックするキーワード)の設定も検討しましょう。

ステップ3. 新しい広告テキストをテスト

広告グループごとに様々な広告テキストを作成してクリック率を比較しましょう。なお、広告テキストにキーワードを挿入すると、そのワードが強調して表示されるので効果的です。

ステップ4. アカウントを適切に構成

新しい広告やキーワードを追加する際は、Webサイトでの商品の分類に合わせてアカウントを構成しましょう。広告グループのテーマを適切な分類に合わせて絞り込むために、キーワードは広告グループ内の他のキーワードや広告テキストと関連したものにします。ちなみに、広告グループに設定するキーワードは、15〜30個が目安です。

ステップ5. ユーザーに適切なリンク先ページを表示

広告をクリックした人が、探している商品をすぐに見つけられるページにしましょう。当然、コンバージョンにつながる可能性が高まります。

注釈3. 広告とランディングページの関連性は、品質スコアにも影響し、広告の掲載位置が決まる要因のひとつとなります。

チェック3. 入札単価と予算の最適化を図ろう(毎週1回、約10分)

ステップ1. 単価設定の調整によりROIを高める

基本原則は、成果の高いキーワードの入札単価を引き上げて、成果の低いキーワードの入札単価を引き下げる事です。成果については、コンバージョンデータを、コンバージョントラッキンングやGoogle Analyticsで確認しましょう。

ステップ2. ROIの高いキャンペーンに予算を多く配分

キャンペーンごとに、トラフィックの量ではなく、収益性の高低を比較しましょう。収益性の高いキャンペーンに予算を多く配分する事で、広告を途切れる事なく掲載して効果を最大化できます。

ステップ3. 最も効果的な時間帯に広告を掲載

一日を通じて最も収益につながりやすいトラフィックが集中する時間帯を見極めましょう。スケジュール設定機能により、キャンペーンの停止・再開時間や、時間帯別の入札単価を調整できます。


要約+注釈は以上です。ところどころ、より具体的な注釈を入れた方がわかりやすいかも?とも思いましたが、次回以降のエントリーで記していく事とします。

先ずは次回、「品質スコア」について書いてみようと思います。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月22日火曜日

顧客からのフィードバックが役に立たない理由



今回は、こちらのブログが大変参考になったので、紹介させて頂きます。
Why Your Customer Feedback is Useless

私のエントリーのタイトルが釣り針の様な表現になってしまいましたが、主旨は「顧客からのフィードバックは役に立たないものだ」というものでは無く、「なぜ役に立っていないのか、活用するにはどうすれば良いのか」という内容です。

英文読解が早い方、または時間をかけてもクオリティの高い原文を読みたいという方は、是非上記のリンクをクリックして、そのまま読んで頂くと良いと思います。

そうでない方や、「要点を3分で頼む」という方に向けて、私の判断と責任で要約&翻訳した内容を以下に記します。お口に合いますかどうか...

「顧客からのフィードバックが役に立たない理由」

あなたが自社の商品やサービスについて、ユーザーの意見を聞く場合は、次のそれぞれについて、充分に注意すべきでしょう。

1.質問の内容が間違っていないか?
2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?
3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない
4.先入観を持って質問しようとしていないか?
5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?
6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない


では順に、要約を記していきます。


1.質問の内容が間違っていないか?

先ず、一般的な人々が顧客の立場になった場合、得意な事と苦手な事がある、という点に注意しましょう。

顧客が得意な事

・不平を言う
・好きか嫌いかを言う
・他の商品と比較する
・特定のやり方を選択する理由を言う

顧客が苦手な事

・自分の未来の振る舞いを予測する
・自分が何についてお金を払うか予測する
・他の人々が何を好むか予測する
・人々が困っている事に対する、革新的なソリューションを考案する
・商品がもっと魅力的になる、新しいアイデアを考案する

というわけで、顧客の強みを利用した質問を発すると良いでしょう。例えば、

「最近この商品を使った時の経験と、どの様に使ったかについて話してください」
「次の5つの機能の中で、どれが一番好きですか?」
「(競合商品について)特にどの点が好きですか?どこが嫌いですか?」
「どの様な機能が追加されたら嬉しいと思いますか?」
「どうしたらこの商品がより使って楽しいものになると思いますか?」

等々。


2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?

良い質問をできる様になるには、経験が必要です。また、そもそもあなたは自社の商品に近すぎるポジションにいるので、バイアスをかけてしまいがちです。

改善する最も良い方法は、あなたのヒアリングスキルについて、誰かに客観的で正直なフィードバックをしてもらう事でしょう。ただし、その人は「何をチェックすべきか」を知っておく必要があります。例えば、このエントリー "5 Things People Get Wrong When Talking to Users"を読むなどして。


3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない

ユーザーは、あえて嘘をつく必要は無いのですが、実際には嘘も言ってしまいます。なぜなら、ユーザーは往々にして、自分が商品を使用した時の事を必ずしも良く覚えてはいないからです。

最も簡単な解決策は、(ヒアリングやアンケートで質問する以外に)ユーザーがあなたの商品を使っている様子を観察する事です。

また(Webサービスの場合のアクセス記録など)可能な時には常に指標をチェックしてください。それによって、ユーザーがあなたの商品やサービスを利用する際の習慣や傾向を見出す事ができるでしょう。


4.先入観を持って質問しようとしていないか?

この諺を知っているでしょう。「ハンマーしか持っていない時は、何もかもが釘に見える」(注釈:視野が狭くなっている様子を表す諺の様です)

あなたが既にすごい機能やサービスのアイデアを持っている時は、顧客が言う事の全てが、そのアイデアを確信させるものになってしまいがちです。

もっと良いソリューションがあるかもしれない時でも。

フィードバックを求める時、あなたは完全にニュートラルな姿勢でいる必要があります。もしそれが不可能であれば、誰か他の人にインタビューさせるべきでしょう。あるいは、他の人々に手伝ってもらってください。


5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?

時には、あなたは既存の問題に関する事を繰り返し繰り返し質問するかもしれません。その事態は、あなたが顧客にとっての「お困り事」をまだ解決していない時に起きます。

もし顧客が同じ不平を言い続けている事に気付いたら、すぐにその問題を解決しましょう。さもなければ、あなたはまた大変な苦労をして新しい顧客を獲得しなければならなくなります。

逆に、いったんあなたがユーザーを悩ます大きな問題を解決すれば、次にはユーザーが抱えている他の問題について、実りのあるディスカッションをできる様になります。


6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない

顧客からフィードバックを得た後には、その情報が蒸発してしまう前に、次にやるべき事をタスクとしてスクラムボード(タスクボード)に掲示し、必要であればエンジニアたちが機能改善に着手しなければなりません。

これを実践しやすくするために、いくつか提案があります。
  • よりターゲティングした、インタビュー、テスト、サーベイなどを行う。焦点を絞っておく事で、あなたはより少ないデータでも念入りに調査する事ができ、問題について深く進みやすくなります。
  • 何人かの人々にインタビューを実際に観察して貰い、彼らが聞いた中で5つの最重要項目に絞る。そして、それぞれについてすぐにディスカッションする。これは、インタビューの後にノートやビデオを掘り下げて検証する、長くコストのかかるプロセスを取り去ります。
  • (Webサイトでコンバージョンレートの改善を行う様に)A/Bテストを活用する。これにより、データを集めて精査する時間を節約できます。「A/Bテストによって定性的なテストを成功させる方法」も参照してください。

原文では、最後に「常に顧客と接触し彼らのフィードバックを得て、商品を改良するための意見を得る事」と「コメント欄に意見をください」の2つの段落があります。

前者については、このブログの過去のエントリー「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」で私なりの意見を記していますので、そちらもご覧頂けると嬉しうございます。

...この方のブログ、参考になりますね(お礼の連絡をしなければ)。本文中でリンクを設定したエントリーをはじめ、折を見てまた紹介したいと思います。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月18日金曜日

CPC広告の投資対効果をどの様に計測していますか?



広大なWebやBlogの世界、そして書店には、偉大な広告配信システムであるGoogle AdWordsやYahoo!リスティング広告の活用方法を解説するコンテンツが溢れています。

今ここで、あらためてそれらと同様の内容を記す必要は無いですよね。そんなものを書いたら、このブログがコンテンツファームのごとき代物になってしまい、Google様からお咎めを受けるかもしれませんw

今回は、私が常々疑問と感じている事を、Twitterでは書き切れない程度の長さで記してみます。

人は、CPC広告やリスティング広告の予算を確保する際、稟議書に「効果測定が可能」だの「投資対効果(以下"ROI")が高い」といった、承認者層に「納得してもいいかな」と思わせる美しい言葉を並べます(この私の両眼が、何度もそれらを目撃しました)。

しかし...本当に「効果測定」を行って「ROI」を算出している企業は、全体の何%くらいだろう、と私はいつも寝付きが悪くなる程に心配しています。

これまでのエントリーでも触れてきましたが、そもそもサイトのパフォーマンスを
PV数やセッション数とかサイト滞在時間や新規/リピートビジター数あたりの数字でレポート化して、無知な上司に毎週提示しているだけの「アリバイ仕事名人」は(少数派だと信じたいのですが)確実に棲息しています。

ROIが「投資」vs「効果」である以上は、「効果」は必ず金額に換算しなければ、比較のしようが無いわけです。で、ビジターに期待するゴールが「商品の購入」である場合は、簡単に金額換算できます。

では、ゴールが「資料請求」「セミナー申込」「メールニュース会員登録」などの場合はどうしましょう?

そう、それらのゴール1件あたりの価値を金額に換算すれば良いだけですね。

「資料請求」「セミナー申込」「無料会員登録」それぞれを行ってくれたビジターの中の何%が電話やメールでの対話に応じてくれて、次に何%が商談に応じてくれて、さらに何%が見積や提案書の提出を受け付け、さらに何%がありがたく発注して頂いたかを記録していき、

総売上および利益を、コンバージョン(ゴール)の数で割れば、ゴール1件あたりの価値を金額に換算できます。

投資額は管理画面でいつでも確認できるので、CPC広告の「ROI」は実に簡単な作業で計算できます。

ところが...

コンバージョン>コンタクト>商談>見積・提案>成約 というファネル(Funnel、じょうご)の節目節目での数値を把握していない企業が、私には日本経済の行く末が心配になるほど多く存在すると見えています。

実際に「できてない」企業のマーケティング担当者の話を聞くと、

・当社には、SFA/CRMシステムが無いので数字を把握できない。

と仰る。「Excelでもできますよ」と進言し、実際にExcelシートをちょいちょいと作って差し上げると、今度は

・営業部門の協力が得られないので、数字を入力してもらえない。

と来る。それならば、

営業部門にとって、入力する事でメリットが得られる仕組みを考えれば良いのに。

例えば、営業プロセスのボトルネック(前述の、ファネルの節目節目の「細い」部分)を可視化できる様にするとか、Webから入ってきた貴重な見込客のフォロー状況を営業マネージャーがチェックできる様にするとか、あるいはCPC広告の予算を営業部門に賦課する事で、営業活動の生産性やROIに敏感になって貰う、とか。

そもそも、マーケティング担当者として「資料請求」「セミナー申込」「メールニュース会員登録」の、どの施策が最も効果的か?と自分で探求する意思が無い時点でアウト、完全なぶら下がり社員なのですが。


ところで以前、顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?とのエントリーを書いて、お客様のご意見はしっかりと受け止めましょうねぇ、という優等生的な発言をした私を挑発するかのようにw、

顧客からのフィードバックは、役に立たないと仰る方がシリコンバレーにおられる事を知りました。

非常に面白そうな記事なので、ぜひ謙虚な姿勢で記事を読ませて頂いて、私の考えを述べさせて頂きます。


次回は、

「顧客からのフィードバックが役に立たない理由」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月11日金曜日

オンラインとオフラインの違い-3つのポイント



オンラインでのマーケティング、プロモーション、ブランディングは、伝統的なオフライン(ラジオ、テレビ、印刷媒体)でのそれらと共通する点もありますが、基本的には大きく異なる代物です。

これから記すオンラインのメリットについて、オフラインメディアの運営者や、そこを主戦場とする広告代理店が脅威を感じている事は確かで、クライアントに提供するベネフィットの工夫や価格設定において、彼らの懸命な努力が見てとれます。

さてそれでは、今日はタイトルの通り「オンラインとオフラインの違い−3つのポイント」について語ってみます。

先ずはこれ。

早い、速い、とにかく早い速い。

例えばあなたが、新規にGoogle AdWordsの広告キャンペーンをスタートしたとします。

ターゲットとする地域は関東地方で、月曜から金曜の間で、いわゆるビジネスアワーと呼ばれる時間帯のみに広告を表示させる。

1回のコンバージョンに要するコストが2,000円となる様に、頭を絞って上限CPC(クリック単価)を設定。

もちろん、考えられ得る限りの工夫を凝らして、広告見出しやテキスト、広告グループ、キーワードおよび除外キーワードを仕込む。

...これらは大変な労を要する作業であり、精一杯頑張って設定を完了し、キャンペーンの開始にこぎ付けた時には心地良い達成感を感じる事でしょう。

しかし --何と言う事だ!-- よりによって、広告の「見出しテキスト」に誤字があるではないか!何たる失態。誰が見ても誤りは明らかだ。これではインターネット中で笑いものだぞ...

という事態になっても、幸運な事にこれはオンライン広告です。

誤字を修正すれば、速やかにGoogleおよびGoogleの検索パートナーサイトに修正が反映されます。そう、オフライン広告では不可能なこのメリットによって、ブランドイメージの低下やビジネスへの悪影響は最小限に抑える事ができるのです。

もし、テレビCMや雑誌広告で修正を加えようと思ったら...もし、リーフレット(ちらし)で全てを刷り直しとなったら...

そう、オンライン広告の修正は、オフライン媒体とは異なり、瞬時に可能なのです。


修正コスト? 無料です。

また、AdWordsでは瞬時に広告を修正できるのみならず、いかなる修正であっても(作業を外注していない限りは)、一切のダイレクトコストが発生しません。

オンラインのCPC広告の世界では、課金の対象は広告のクリック数のみです。エージェントに運用を委託していない限り、他にお金はかかりません。

そう、あなたが広告キャンペーンを作る際にも修正を加える際にも、代金を請求される事はありません。もちろん、インプレッション数に応じた課金もありません。なんと素晴らしい事でしょう。トラディショナルなオフライン広告の世界では、この様な幸運は起こりません。


正確性&定量性−いつでもROIを算定できる!

さて、キャンペーンの成果として、今日何人のビジターがあなたのサイトを訪問したか、広告主のあなたはチェックするべきでしょう。簡単にできます。ただGoogle Analyticsにログインして、今日のビジター数を確認すれば良いのです。

また、ランディングページの良し悪しを判断するために、複数のページを用意してどれがベストか試したいと欲するのであれば、Googleウェブサイトオプティマイザーにログインして、A/Bテストを設定すれば無料で直ちに比較検証をスタートできます。いつでもその時点までのテスト結果を確認できる事は申すまでもありません。

しかし、オンラインマーケターが受ける恩恵は、いつでもレポートを見る事ができる点にとどまりません。

スピードのみならず、「正確性」と「定量性」を享受できるのです。

ひと月にあるテレビCMが何人の人に観て貰ったか、正確な数を知る事は可能でしょうか?ラジオCMについてはどうでしょうか?あるいは、ある雑誌広告を見た人の数を正確に知る手段があり得るでしょうか?

それらを実現する手段はありません。オフライン広告がどの位効果があったのか、定量的に把握する事は不可能なのです。それは、ROI(投資対効果)を正確に算出できない事を意味します。そして修正も不可能となれば、あなたの選択肢はただひとつ、「運を天に任せて祈る」事のみです。

オンライン広告の場合はどうでしょう。

AdWordsの管理画面にログインすると、あなたはある商品のキャンペーンについて、月間に(例えば)合計1,679クリックを得た、と確認できるのです。これは、見積や推定では無く実測値です。

Googleはさらに、スパマーや姑息な競争相手による不正なクリック数を除去してカウントしてくれます。もちろん、それらのクリックについて費用を請求される事はありません。

オンライン広告においては、天に祈りを捧げる必要は無く、科学的なプロモーションが可能なのです!


さてさて、御託を並べるエントリーはそろそろ終わりにします。

次回からは、実際にビジネスという命がけのゲームで勝利するための武器として「Google AdWords」「Google Analytics」「Google ウェブサイトオプティマイザー」の有効な使い方について、順を追って書き連ねていきます。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月8日火曜日

いま一度、KPIというものを考える



今日は、皆さんご存知のKPI(Key Performance Indicators)について記します。

「いま一度、KPIというものを考える」

「ご存知の」と言いつつ、私が考えるところのKPIは、もしかすると皆さんが認識しているKPIと少々異なるものかもしれません。

KPIは、Webサイトのパフォーマンスを計測する方程式を解く際の、ヒントとなるべきものです。

誤解されやすいポイントですが、平均サイト滞在時間や直帰率の様な種類の指標をKPIとするべきではありません。あるいは、受注件数その他のコンバージョン数についても同様です。

KPIはその名の通り、Webサイトのパフォーマンスをマクロな視点とミクロの視点の両方から理解できる様に、助けてくれる指標でなければなりません。

例えば、

平均受注金額や、1回の訪問あたりの収益金額はKPIとなり得ます。

なぜなら、それらの数字を「分解」していく事によって、あなたは「分析」をできるからです。

分解->分析できない指標は、KPIとなり得ません。

あなたのWebがいかなるタイプのサイトであっても、常時監視するKPIを(サイトの目的に沿って)必ず複数設定しておきましょう。

KPIの考え方は非常に重要なので、洋書ではタイトルに「KPI」や「Key Performance Indicators」という語句を含む書物がたくさん刊行されています。一方で、不思議と日本ではタイトルに「KPI」を謳う書籍は見た事がありません。

Amazonで「KPI」を検索ワードにして「GO」ボタンをクリックしたところ、何故か「見える化」を含む本がたくさん現れました...「KPI」をタイトルに含む書籍は、やはり0件。

それはさておき。

あなたは一方で、

KPIの考え方を逆さまにした「KRI(Key Risk Indicators)」も気に掛けた方が良いでしょう。

例えば、あなたのサイトで新規のビジターのホワイトペーパーダウンロード率が所定のレベルよりも下降した場合は、すぐにプロモーション活動の見直しや、サイトに施した変更について検証すべきです。

KPI、KRIはともに「早期警告サイン」であり、大至急何かを変えなければ、または停止しなければならないというアラームとなるのです。

次回は、

「オンラインとオフラインの違い-3つのポイント」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月7日月曜日

顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?




今回のトピックはこちら、

「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」

あなたのサイトでは、ビジターからのフィードバックを受け付ける仕組みがありますか?
ビジターに、サイト訪問時に抱いた感想をたずねる努力をしていますか?

例えば、飲食店のマスターまたはシェフが「お味はいかがでしたか?」と顧客に声を掛けるように、あるいは温泉旅館の女将が「おくつろぎ頂けましたか?」と笑顔でたずねるように。

もしあなたが、

最も大切な人たちである「ビジター」の声を聞くための手段を持っていないのであれば、それこそが「とっても恐い事」です。

大至急、対処する事をお勧めします。


これはかつて、私があるネットショップの顧客アンケートを見せて頂いた際の数字です。アンケートに回答した人の、ショップに対する総合評価を集計した割合は、

・10人中8人に相当するビジターが、ネガティブな意見
・10人中1人に相当するビジターが、「特になし」といった主旨の回答
・10人中1人に相当するビジターが、ポジティブな声

...一般的に、人々は、あるショップから「いかに素晴らしい商品を買えたか」「どれほど気持ちの良いサービスを受けたか」とかという事よりも、「不愉快に思った事」「腹が立った事」について、積極的に発信する傾向があります。

それを、運営者のあなたにフィードバックしてくれるのであれば、神と崇めてありがたいと思わなければなりません。

なぜなら、ビジターの不満や怒りをサイト内で吸収できないと、

そのネガティブな感情は大きなうねりとなって様々なネットメディアに伝播し、「祭り」「炎上」へと発展しかねません。

そう。

完璧な人間が居ない様に、(あなたのサイトを含め)完璧なWebサイトなどありません。

ですから、いかなる批判や罵詈雑言をも恐れる事なく、あなたは何らかの形でビジターや顧客の意見を「積極的に」集める機能を、サイトに必ず備えましょう。

充分な数のフィードバックが集まったら、ビジターがあなたのサイトで遭遇した問題点の中に、類似点や相似点を見出す事でしょう。そして、大抵の場合、これらの問題点はあなたを含むサイトの「中の人」たちにとって、新鮮な発見であるはずです。

次のステップとしては、あなたはサイトをもっともっと良くする方法を探求する事になりますが、その際には外部の意見を聞く事も大変有効です。

それはたった一人で宝物を探すよりもずっと効率が良く、あなたのサイトを誰にとっても良いものへと改善するために、素晴らしく、美しく、賢い方法です。

次回は、

「いま一度、KPIというものを考える」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月6日日曜日

コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント



今日は、サイトを「成功」に導くためのヒントを考察してみます。

「コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント」

前回、前々回のエントリーで、

・何名のビジターがあなたのサイトを訪問したか?
・ビジターの視線がいくつのページを見たか?
・ビジターがどれくらい長い時間サイトを見ていたか?
・新規/リピートビジターの割合はどの位か?

などは、サイトの成功/失敗を分析する上でほとんど意味が無い事を説いてきました。引き続き、成功に導くためのヒントを考えてみます。


あなたが自身のサイトに関して常に考えているべきクエスチョンは、

「ビジターが、自分のサイトで"重要な"アクションを実行しているのか?」

です。重要なアクションとは(サイトの目的にもよりますが)、通常は「会社情報を見る」とか「役員の経歴を見る」などよりは、

・商品ブローシャーやホワイトペーパー(商品説明書または技術解説書)をダウンロードする
・ある商品についての詳細な説明を求めるリクエストを送信する
・あなたのサイトの会員として登録する
・サイト内で注文を完了する

といったアクションです。

あなたのマーケティング活動は全て --オンラインでもオフラインでも-- これらの重要なアクションの実行回数を増やすためにシフトチェンジ&アクセルオンされる必要があります。

さて、これらの「重要なアクション」に共通している事は何でしょう?

…一般的な経験則として、

ビジターがキーボードを使う時、チャンスは大きくなっている

と言われます。では、

ビジターが「喜んで」キーボードを操作してくれる仕掛けには、どんなものがあるでしょう?

あなたのサイトの目的に合った仕掛けを、ぜひ考えてみてください。


次回は、下記の重要な(そして有難く、時に恐ろしい)トピックについて書き連ねます。

「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月5日土曜日

サイトの成功/失敗をどのように計測していますか-サイト滞在時間?新規/リピートビジター数?

前回のPV数、セッション数に関する注意点に続き、

今回は安直にアクセスレポートに含められる指標ながら、実は扱いづらい代物である「サイト滞在時間」と「新規/リピートビジター(ユーザー)数」について書き記します。

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」

先ずは、サイト滞在時間について。

サイト滞在時間は通常、全ユーザーがサイトに滞在した時間の平均を「分」で表す指標です(=「平均サイト滞在時間」)。これは、PV数やセッション数よりは少しだけ進んだ指標であると言えます。

なぜなら、一般的に

ビジターがサイトで過ごす時間が長くなる程に、コンバージョンの可能性は高くなる

という「傾向がある」とみなされている故です。

しかし、これはあくまでも「傾向値」「参考値」ととらえるべき程度のものであり、サイトのパフォーマンス測定においては、PV数やセッション数と同様に「スタート地点」でしかありません。

アクセス解析ツールのチャートを見ると、あなたははっきりと「平均サイト滞在時間」を日別に確認できるでしょう。例えば、2月4日は2分○○秒といった具合に。

しかし、この2分○○秒という数字は良いのか?悪いのか?普通なのか?…誰にもわかりません。

ビジターは、その2分○○秒の間、フラストレーションを感じる事なく快適に過ごす事ができて、満足してサイトを後にしたのでしょうか?

もしかすると、彼ら/彼女たちは、サイト滞在中にずっとあなたのサイトの使い方を把握しようと、四苦八苦していたのかもしれません。

あるいは、何人のビジターが、何種類のページを見た後に注文ボタンをクリックしてくれたのか?ギフトラッピングを希望した人数は?(明日発送など)急ぎの配送を希望した人数は?

どの疑問についても、サイト滞在時間のみからでは、推測すらできません。

前述の通り、一般的にはビジターがサイトで過ごす時間が長い程に、コンバージョンの可能性は高くなるとされています。しかし、もちろん「必ず」ではありません。傾向や法則には、たくさんの例外があるものです。


次に、新規/リピートビジター数に関して。

ほぼ全てのアクセス解析ツールに、ビジターのパーセンテージを「新規」「リピーター(二度目以上の訪問)」に分けて、チャートで表示する機能があります。

例えば、新規ビジターとリピートビジターの比率が3:7位であったと、円グラフが表示していたとします。

…サイト滞在時間と同様の問いです。あなたはこの数字から何を読み取れるでしょうか?

何が起きているのか、ではなく「このサイトは成功しているのか/失敗しているのか」を判断するには、そして改善策を考えるためには、

・新規/リピートビジターは、それぞれどこからやってきたのか?
・新規/リピートビジターの配分に変化が生じたのはいつか?
・変化が生じた時に自分のサイト、あるいは世間で何が起きていたのか?
・新規/リピートビジターで、サイト内の行動に違いはあるか?
・リピート率およびリピーターから得られている収益から計算して、自分のサイトのビジターのLTV(ライフタイムバリュー)はどの位と計算できるか?
・上記のLTVを考慮すると、新規のビジターを獲得するために現在投じているコストは適切か?

などを調査/検討しなければならず、アクセス解析においても必要な指標を収集できる仕掛けと体制が必要です。


前回と今回は、サイトの成功/失敗を計測する際に安易に逃げ込み易い指標について、警鐘を鳴らしてみました。

次回は「成功」について考えるべく、

「コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント」

について書き記します。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月4日金曜日

サイトの成功/失敗をどのように計測していますか-PV数やセッション数?

前回まではいわば序章で、5回にわたって主にWebサイトの存在目的や意義、ユーザーベネフィットなどに関する「根源的な」問い掛けを発してきました。

ぜひ、5つの問いに対する自分なりの回答を考えてみてください。完全な答えなどありませんが、「考える」事によって、サイトおよびサイト運営に関する新たな気付きをたくさん得る事ができると思います。

そして、

・「元々考えていた事」+「新たに気付いた事」
・「5つの問い」に合わせて分類すれば、それが
・「あなたのWebサイトのコンセプト&ポリシー」となり、

今後のあらゆる活動の指針となります。

さて、今回からは、徐々に具体的な内容に入っていきます。

先ずは、その重要性を誰もが認めていながら、上司の無知または無関心に乗じて、アリバイ的な仕事で済まされている事が多いこの件。

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますか?」

Webサイトにせよその他の情報システム全般にせよ、あるいはあらゆる仕事について、人は「効果測定」という知的作業に対して熱心ではありません。その理由は様々で、声を大にして訴えたい事も多々あるのですが、ブログの趣旨から外れるので、ここでは言及しません。

しかし、Webサイトに関わる皆さんはラッキーです。Webの世界では、効果測定のための指標やテクニックがたくさん用意されています。…だからこそ「やっているように見せかける」アリバイ仕事もやり易いわけですが。

これは恐ろしい事で、人々はやがてアリバイ仕事で上司を欺くだけでなく、自分自身をも納得させてしまうようになってしまいます。そう、例えばページビュー(PV)数を定期的にスプレッドシートに記録してチャートを作るだけで「自分はWebの効果測定を行っているマーケティング担当者である」とピュアに思い込んでしまっているケースも、悲しいほどたくさん見受けられます。

とはいえ、効果測定すなわち成功/失敗の計測方法に、絶対的な正解はありません。サイトの目的や目標が様々であるゆえに、計測方法も必然的に様々な指標の組み合わせのパターンが発生し得るのですね。

では、良く用いられる指標を、分類毎に順に検証していきましょう。

ページビュー(PV)数、セッション数

先ずは非常にポピュラーなこの2つ、PV数(閲覧されたページ数)とセッション数(訪問数)。

これらは、計測の基礎をなす指標です。収益を表すシンプルな計算式である、

集客数 × コンバージョン率 × 平均利益(1コンバージョンあたりの利益)

の、「集客数」の一側面を表すものなので。

しかし、当然ながら、これらの数字だけをチェックしても、何のヒントも得られません。10年間にわたって毎日記録し続けても、サイトの収益性は全く改善されないでしょう。

サイトの成功/失敗を分析するには、例えば次の疑問に対する解を得る必要があります。

・これらの数値を構成するビジターは、どこからやってきたのか?
・サイト内の、どのページがたくさん参照されているのか?
・何人のビジターが資料を請求したのか、見積を求めたのか、詳細な商品説明をリクエストしたのか?
・何人のビジターがサイト内で購入してくれたのか?
・一件のオーダーを獲得するために、どれだけのPV数やセッション数が必要だったのか?
・得られた収益に対して、投入したコストは適切だったのか?

などなど。

PV数、セッション数だけでは、サイトに「いくつの視線が注がれたのか」がわかるに過ぎません。

…続きは次回、

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月1日火曜日

5.あなたは、どのようにWebサイトの存在を世間に知ってもらいますか?



前回のエントリーの最後のパラグラフに、「もしあなたがビジターを魅了する素晴らしいベネフィットを提供できて、かつそれを上手に世間に知らしめることができれば...」という一文を記しました。

そこで今日のトピックは、

「根源的な問い5.あなたは、どのようにWebサイトの存在を世間に知ってもらいますか?」

ちなみに私はこのブログのコンテンツの柱として、Google AnalyticsとAdwords、およびそれらに関連するツールの「ちょっといい話」を紹介していきたいと思っています。

でも、それはもう少し先のお話で… 先ずはツールやテクニックの前にもっと基本的な「考え方」を皆さんと一緒に考察してきました。今回は「サイトのプロモーション」について記し、5回にわたって書き連ねてきた「根源的な問い」の最後のエントリーにしようと思います。


Webの世界は「ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ」的な、タイガーマスクの主題歌が歌い上げるかのような戦いのジャングルです。敢えて言うならば、悪党と正義の区別も時には曖昧です。

ルール無用、そう、法律は常にインターネットの進化の後塵を拝する存在にしか過ぎません。

法律どころか、学歴・年齢・性別はもちろん、あなたの経験がどんなに豊富であろうと、どれほど高度なスキルを持っていようと、この世界でのあなたの成功を保証するものは何ひとつ無いのです。

さらに、あなたが考えた「素晴らしいアイデア」は、いとも簡単に、想像を絶する早業で真似をされます。間違いないです、素晴らしいものほど。

ちなみに、ビジネスモデルやソフトウェアの世界で、「特許取得」は考えない方が身のためです(試しに、弁理士さんに相談してみてください)。それよりも、ひとつのアイデアに陶酔せずに早く「次の手」を考えた方が得策です。

一方で、デジタルネイティブのハイティーンは --メガバンクや総合商社の仕事を志すのであれば、大学で良い成績を収めて卒業した上で、下積みから経験を積み重ねていく必要がありますが-- Webの世界では才覚次第で、ごく短期間であらゆるサイトよりも有名なものを創り出せる、つまり大量のビジターを獲得できる可能性がある、恐るべき世代なのです。

言い替えると、

あなたのWebに大量のトラフィックをもたらす絶対的な手段は無い

という前提で考えなければなりません。

あなたが自身のサイトのプロモーションプランを考える時は、

「あなたのWebは世界に何をもたらすのか」

を今一度しっかりと定義し、そのために

「あなたのWebが世界に発信すべきメッセージと表現方法は何か」

そして

「メッセージを伝える手段や媒体(オンライン&オフライン)は何と何と…(繰り返し)…何と何があるのか」

を考えに考えて考え抜き、一貫性のある、継続的で地道な努力を続けなければなりません。それは投資と効果の最適化を求める、終わりの無い努力の繰り返しでもあります。

この戦略と戦術を考えて、そして計画的かつ継続的に実行できるかどうか。それが、あなたのサイトの成否を決定します。


さて、これで序章に代えての「5つの根源的な問い」は終わりとなります。

次回からは新展開としますが、先ずは非常に重要にして、しかし不幸にして多くのサイトで蔑ろにされがちなトピックからいきましょう。

次回は、

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますか?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年1月28日金曜日

4.あなたのWebサイトから、誰がどのようなメリットを得るのでしょう?



今回のトピックはこちら。

「根源的な問い4.あなたのWebサイトから、誰がどのようなメリットを得るのでしょう?」

収益目的で立ち上げたサイトであれば、あなたは当然大きな大きな収益を上げたい、と期待します。特にサイトのリリース直後は、希望と期待と不安が錯綜して、脳内がお祭り騒ぎになってしまうかもしれません。

ビジネスモデルとも大いに関係するのですが、今回の問いは重要な示唆を含みます。多分...

あなたがネット上で素晴らしいアイデアに基づく立派なビジネスをしようと思い立っても、他の誰かが既に同じことをずっと上手くやってのけている、その可能性は大です。

そしてあなたが「絶対にイケル」と信じる革新的な商品やサービスは、実は他の人にとっては良さが分かりづらく、すぐに興味を持てるものでは無いのかもしれません。

だからと言って、あきらめる必要はまったくありません。簡単に、とは申せませんが、努力と工夫次第で、膨大なWebの中でも最上級の部類に仲間入りすることは可能なのです。

先ずは、マーケットを充分に調査し続け、業界を深く研究し続け、絶えず自分のサイトを改善する試行錯誤を繰り返す必要があります。これは基本中の基本。

そして、最も重要なこと。それは、

あなたのサイトを訪問してくれた人が心の奥底から感謝し、友人たちにも教えたくなるような、わかりやすくて極上のベネフィットを提供すること

です。

偉大なサイトの不可欠な要素は、ビジターが「自分だけ特別な待遇やオファーを受けている」、あるいは「素晴らしい商品やサービスについての、特別な知識を得た」かのように感じさせる、人並みはずれたスキルを運営者が(努力の末に)身に着けていることなのです。

例えば、トップページの非常に目立つ場所に「○○の秘密を知りたいですか?」とか、「あなたに無料の○○をさしあげます」などという文字が躍っていたら、どうでしょう?(ちょっと例えがチープですが、まあ「ヒント」ということで)

このサイトは、ビジターに「秘密を教える特別なオファーを受けている」かのような錯覚を起こさせて、「会員になることで得をしそうだ」という気にさせるでしょう。

これはあなたがビジターを魅惑するために必要な仕掛けのヒントです。

このような工夫をしなければ?運営者が多大な努力をしているWebサイトは世界中に無数に存在します。何らかのベネフィットをビジターに与えることができなければ、他のサイトとは勝負にならないのです。

もしあなたがビジターを魅了する素晴らしいベネフィットを提供できて、かつそれを上手に世間に知らしめることができれば...あなたのサイトのデザインが少々物足りないものであっても、ビジターはさして気にしないでしょう。さらには、あなたが提供する商品やサービスの価格を高いと感じなくなるはずです。

ここで、「上手に世間に知らしめる」という言葉が登場しました。

そこで次回は、

「根源的な問い5.あなたは、どのようにWebサイトの存在を世間に知ってもらいますか?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年1月26日水曜日

3.あなたのWebサイトは、何をするのでしょう?



本日も更新します。

これからも「ほぼ日刊」を心がけたい、と開設から3日めの今日のところは思っております。今日のところは...

では本日のトピックです。

「根源的な問い3.あなたのWebサイトは、何をするのでしょう?」

通常、Webサイトは訪問者(今後は「ビジター」と呼びます)に「コンテンツ」を提供します。それは、ビジターにとって意義のある、役に立つコンテンツでなければなりません。

余計な新技術、コケおどしの仕掛けは、時としてビジターにとって邪魔な存在となります。

例えば、トップページやランディングページにFlashムービーがデカデカと現れると、血圧の連続的な上昇を感じるのは私だけではない、と確信しています。

とはいえ、

この10年ほどの間に、Flashの普及と陳腐化、Ajaxの登場、爆発的に増加した各種のソーシャルメディアとそれらの相互連携、果ては仮想現実(VR)やら拡張現実(AR)やら紛らわしい用語が矢継ぎ早に現れたかと思うと、GPSとモバイルアプリの連携でもうおじさんビックリ、気が付いたらCSSの表現力も凄いことになっていつつ、HTML5が喧伝され始める...

と、書いているだけでも息が詰まるような、新技術が次から次へと怒涛のように登場しました。

これらのテクノロジーがもたらす楽しさや利便性を先行して享受する「アーリーアダプター」層は確かに多く、彼ら/彼女らは「次は何が出てくる?」と、さらに先進的なコンセプトと技術を潜在的に待ち続けています。

...5年前、10年前に「こりゃスゴイ!」と感嘆を誘った技術も、現在では空気や水の如し。

テクノロジーは麻薬なのです。

しかし、Webサイトを運営してビジネスを行うあなたは、ここで冷静に考えなければなりません。

あなたのWebの支持者たち、お客様、ビジネスパートナーは、全ての最新技術や流行を必要としているでしょうか?

例えば、"Web2.0"(この呼称もとうに賞味期限切れ)とは無縁のサイトで、FlashやAjaxその他のきらびやかな仕掛けも無く、プロがスタジオで制作したかのような高品質の動画などは一切備えていない「ベーシックなWebサイト」。

あなたにとって大切なビジターの皆さんは、そんなサイトをより必要としているのかもしれません。「ベーシックなWebサイト=残念なダメサイト」ということでは無いのです。

先ずは、あなたが重要と考える「自分のサイトの目的」(参考:1.あなたは "なぜ" Webサイトを作ったのでしょう?)を見直して、そのために必要なコンテンツと、それを表現する手段を一心不乱に考えましょう。

目的を達成するためには、どのようなサイトにすればあなたのメッセージを「明確に」「わかり易く」ビジターに伝えることができるでしょうか?

AdWordsやYahoo!リスティング広告に投資して大量のトラフィックを招き入れる前に、ぜひ熟考したいものです。


そろそろ3分経ちましたかね、今回はこの辺で。

次回は、

「根源的な問い4.あなたのWebサイトから、誰がどのようなメリットを得るのでしょう?」

なかなかテクニカルな話題に進みませんが、もう少々お付き合いくださいませ。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2.あなたのWebサイトは、訪問者にどう見えているでしょう?




第2回です。今日のお題は、

「根源的な問い2.あなたのWebサイトは、訪問者にどう見えているでしょう?」

あなたがそうであるように、Webを見る人はとってもせっかちです。

さらに、情報量の増加やソーシャルメディアの多様化に比例して、年々せっかちになってきています。

あるWebページの読み込みが遅いと感じたら、例えITのプロフェッショナルなる人が

「これ以上速くなりませんよ、なぜなら○×△□...」

などと説明してみても(古き良き時代と異なって)全然納得しやしません、最近の老若男女は。

また、だれかがあなたのWebを最初に訪問したとき、彼/彼女は一見して、それはもう脊髄反射的な速さで「このサイトは好きだ/嫌いだ」と潜在意識で判断します。

そして、あなたのサイトにそのままとどまるか、Googleに戻って他のサイトを探すのか、即断即決!してしまいます。もし、とどまってくれなかった場合、彼/彼女があなたのサイトを訪れることは二度と無いでしょう...

何とも恐ろしい時代です。


ですから、あなたのWebサイトは、通常の訪問者の

「最初のメンタルチェックポイント」

をクリアしなければならないのです。


どうすれば良いでしょう?

ビジュアル的な魅力、これは有効です。しかし、どんなに優秀なクリエイターが最高のセンスと技術をもって臨んでも、これだけでは充分ではありません。


より重要なこと、それは訪問者を「誘惑して」「ここに居たい」「もっと探りたい」と思わせることです。


もし、あなたが運営しているWebがECサイトであれば、事態はよりいっそう深刻です。

あの手この手で「来店してくださった」お客様の気を引かなければなりません。

例えば、

・旬の商品の耳寄り情報
・流行りモノのお得な情報
・掘り出し物のディスカウント情報
・定番品のビックリ情報
・頭が良くなるか健康になるかスリムになれそうな(本当に?みたいな)アイテム
・クリックせずにはいられない魅惑的な、胸が高鳴るバナー
・すぐにイヤホンを探し出してでも再生せずにはいられない、面白そうな動画
・「今すぐ」会員にならないと損すると思って頂ける煽り

などなど。


トップページやランディングページには、サイトの生死が懸かっていると言っても全く過言ではありません。人生を賭けたお見合い写真の撮影と同等またはそれ以上に、細心にして最高の注意と努力を払って設計、制作する必要があります。

この話題は、後日(いつ?ちょっと先)「LPO」の回であらためて詳細にお話しします。

さて、次回は、

「根源的な問い3.あなたのWebサイトは、何をするのでしょう?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)> 
 

2011年1月25日火曜日

1.あなたは "なぜ" Webサイトを作ったのでしょう?



さあ、はじまりです、

「ECとWebマーケティング・3分で読む"ちょっといい話"」


...全くもって、私たちは日々情報の洪水に溺れて、流されています。

そんな中でわざわざこのブログを訪問してくださる皆様には、

「インターネットを "もっと" ビジネスに役立てたい!」という目的に向けて

「1日に3分間で、役に立つ情報を得て頂ける」ようにと、

簡潔・平易・有用

の三拍子を心がけて書き連ねていきます。


#「流れるようにスラスラと3分以内で読めて、役に立つ」存在になれれば、と。


初めの内は基本的な話題から、そして徐々にGoogle系のツールを中心としたテクニカルな内容へと深化していく予定です。多分。

テクニカルな話題でも、難しい言葉や変に凝った言い回しは使いませんのでご安心を。

さて、先ずは序章に代えて、根源的な5つの問いから考えてみましょう。

最初の問いはこちら。

「根源的な問い1.あなたは "なぜ" Webサイトを作ったのでしょう?」

良く言われる「Webサイトの目的」の話です。

簡単な問いですが、答えは多岐にわたるはずです(少なくとも、企業サイトの場合は)。

ちょっと考え直してみましょう。

・商品をサイト上で直接売るため?
・営業部門がコンタクトできる情報を得るため?
・見込客を販売店に紹介するため?
・製品の情報をたくさんの人に知ってもらって、購買意欲を喚起するため?
・これまでの商圏を超えて、広くお客様を獲得するため?
・技術情報や活用方法を分かりやすく掲載して、便利に使ってもらうため?
・お客様サポートを効率化するため?
・広く消費者の意見を収集するため?
・紙と手作業の業務をWebにしてコストを削減するため?
・自社の存在を広く知らしめるため?
・自社の事業を正しく知ってもらうため?
・自社の株価を上げるため?
・自社とお客様および社会との間で、自社と商品のイメージを共通化するため?
(すなわち「ブランディング」ですね)

etc.etc.たくさんありますよね。

とりあえず、たくさんある目的をすべてくまなく列挙して、次にそれぞれについて「優先度」と「重要度」の両面で評価してみましょう。

もちろん、「優先度」と「重要度」の両方で高い評価を与えた目的から順に、次以降の段階、例えば、目標→戦略→戦術→計画→実践...それぞれの立案と遂行にパワーを注いでいくわけです。

では、「優先度」と「重要度」のどちらかのみが高いという目的については?

リーダーやマネージャーは「重要度が高い」ものに、
一般メンバーは「優先度が高い」ものに取り組むのが良いかと思います。

ついでに、企業は社会とともに変化する存在ですから、目的の種類や重み付けも変わっていくことにも、日々注意しなければなりませんね。


どうやらもう3分経過しそうな字数です。今日はここまでとさせて頂いて、次回は

「根源的な問い2.あなたのWebサイトは、ユーザーにどう見えているでしょう?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>