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2011年3月11日金曜日

無料のLPOツール-Googleウェブサイトオプティマイザー(A/Bテスト編)



前回に続き、ありがちな光景-マーケティング部門の責任者は、焦っていた。AdWordsへの投資を続けて、自社のWebサイトにそれなりの数のビジターを呼び寄せる事はできている。しかし、彼がビジターに期待するゴール...サイトでの購入、資料請求、問い合わせなどの「コンバージョン」に達する数があまりにも少ない。

例によって、営業部門や経営層から激しい口撃を受ける。「Webからの顧客発掘ができていないが、マーケティングは何をやっているんだ」... 苦悩する日々の中でふと、「LPO」(ランディングページ最適化)というテクニックの存在を知り、部下にLPOツールを選択させ、とあるASPツールを契約した。

「これでコンバージョン数が増えるだろう」(‐^▽^‐) との期待とは裏腹に、部下が(素晴らしい機能の数々を揃えた)LPOツールを使いこなす事ができず、当然自分で指導する事もできず、コンバージョン数は全く増えない。

ASPのコストは毎月しっかりと請求される。社内のあちらこちらから、自社のWebサイトについて色々な意見が出始めて収拾がつかなくなり、彼/彼女はますます苦境に...


という事態に陥る前に紹介したいツールが、必要にして充分な機能を備えつつ(つまり使いやすい)、無料で使用できる「Googleウェブサイトオプティマイザー」です。なぜか、日本ではあまり普及していませんが、これは便利です。しかも、どれだけ使っても無料。

Googleウェブサイトオプティマイザーの活用方法としては次の2通りがあります。

●A/Bテスト
2種類以上のページについて、コンバージョン率を比較するテスト。

●多変量テスト
ページ内の様々なコンテンツパターンを比較するテスト。
(例:2種類の見出し、3種類の画像、2種類の商品説明を組み合わせてテスト)

今回は先ず、A/Bテストについて記します。以下のステップでテストを実行しましょう。

拍子抜けするほど、簡単です。

I. プランニング
  1. テストページを決定する
    今回のエントリーの文脈では、テストするランディングページを選択する、となります。
  2. コンバージョンページを決定する
    既に決定している事とは思いますが。
  3. テストするページパターンを作成する
    テストページの別バージョンを作成します。テストを実行している間は、複数のテストページの中から1つがランダムに表示され、コンバージョンページに到達するユーザー数が多いページを特定できます。
II. テスト設定&実行
  1. ウェブサイトオプティマイザーにログインする
    http://google.co.jp/websiteoptimizer からGoogleアカウントでログインし「利用開始」をクリックすると、規約の表示を経て「テストリストページ」が現れます。
    ・ここで「新しいテストを作成」をクリックし、「A/B テスト - テストを迅速に開始する最も簡単な方法」を選択してください。
    ・次に出てくる画面は、「I. プランニング」で記した3つのステップを記しているので、そのまま「上記の手順を完了し、テストを開始する準備が整いました」 をオンにして、 「作成」をクリックしましょう。
  2. テストページ情報を指定する
    ・「テストの名前」「テストするページの名前とURL」「コンバージョンページのURL」の3つの情報を入力すると、URLの検証が行われます。
    ・それぞれについて、「ページが見つかりました」と表示されたら「続行」をクリックしてください。
  3. テストページにタグを追加する
    ・「JavaScriptタグのインストールと検証は誰が行いますか?」と表示されますが、ここでは説明を簡潔にするために「お客様で JavaScript タグのインストールと検証を行います」を選択し、「続行」をクリックします。
    ・テストするページ(オリジナルページと各パターンページ)とコンバージョンページに対応するトラッキングスクリプトが表示されるので、コピーして各ページの</head>の直前に配置します。
    ・なお、オリジナルページには「制御スクリプト」を<head>タグの直後に置きます。
    ・「ページを検証」をクリックし、検証が完了したら「続行」をクリックします。
  4. テストをプレビューして開始する
    ・これで設定は完了ですが、念のために「プレビュー」をクリックして、ページの選択が誤っていない事を確認しましょう。
    ・そして、「テストを開始」をクリックすると、いよいよテスト開始です。
    ・オプションとして、「このテストを通して送信されたトラフィックの合計」で、テストに参加するユーザー数を制限できます。
    ・また「掲載結果の低い組み合わせを自動で無効にする」をオンにすると、成果の低いページの表示を自動的に停止させる事ができます。
III. レポート確認

テストを開始すると、テストページの表示回数とコンバージョン数が記録されていきます。これらのデータを確認するには、テストリストにある各テストについて「レポートを表示」をクリックします。もちろん、レポートは定期的にチェックしましょう。


と、書き連ねてきましたが、強調して伝えたい事は、

「LPOにお悩みのあなた、Googleウェブサイトオプティマイザーを使えば、A/Bテストは思ったより"はるかに"簡単ですよ、しかも無料」

という事です。Google Analytics や AdWords と一緒に使う事でさらに便利になりますが、ウェブサイトオプティマイザー単体でも非常に有効に使えますので、ぜひお試しを、とお勧めします。

次回は、多変量テストについて記す、かもしれませんw


では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>