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2011年2月22日火曜日

顧客からのフィードバックが役に立たない理由



今回は、こちらのブログが大変参考になったので、紹介させて頂きます。
Why Your Customer Feedback is Useless

私のエントリーのタイトルが釣り針の様な表現になってしまいましたが、主旨は「顧客からのフィードバックは役に立たないものだ」というものでは無く、「なぜ役に立っていないのか、活用するにはどうすれば良いのか」という内容です。

英文読解が早い方、または時間をかけてもクオリティの高い原文を読みたいという方は、是非上記のリンクをクリックして、そのまま読んで頂くと良いと思います。

そうでない方や、「要点を3分で頼む」という方に向けて、私の判断と責任で要約&翻訳した内容を以下に記します。お口に合いますかどうか...

「顧客からのフィードバックが役に立たない理由」

あなたが自社の商品やサービスについて、ユーザーの意見を聞く場合は、次のそれぞれについて、充分に注意すべきでしょう。

1.質問の内容が間違っていないか?
2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?
3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない
4.先入観を持って質問しようとしていないか?
5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?
6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない


では順に、要約を記していきます。


1.質問の内容が間違っていないか?

先ず、一般的な人々が顧客の立場になった場合、得意な事と苦手な事がある、という点に注意しましょう。

顧客が得意な事

・不平を言う
・好きか嫌いかを言う
・他の商品と比較する
・特定のやり方を選択する理由を言う

顧客が苦手な事

・自分の未来の振る舞いを予測する
・自分が何についてお金を払うか予測する
・他の人々が何を好むか予測する
・人々が困っている事に対する、革新的なソリューションを考案する
・商品がもっと魅力的になる、新しいアイデアを考案する

というわけで、顧客の強みを利用した質問を発すると良いでしょう。例えば、

「最近この商品を使った時の経験と、どの様に使ったかについて話してください」
「次の5つの機能の中で、どれが一番好きですか?」
「(競合商品について)特にどの点が好きですか?どこが嫌いですか?」
「どの様な機能が追加されたら嬉しいと思いますか?」
「どうしたらこの商品がより使って楽しいものになると思いますか?」

等々。


2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?

良い質問をできる様になるには、経験が必要です。また、そもそもあなたは自社の商品に近すぎるポジションにいるので、バイアスをかけてしまいがちです。

改善する最も良い方法は、あなたのヒアリングスキルについて、誰かに客観的で正直なフィードバックをしてもらう事でしょう。ただし、その人は「何をチェックすべきか」を知っておく必要があります。例えば、このエントリー "5 Things People Get Wrong When Talking to Users"を読むなどして。


3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない

ユーザーは、あえて嘘をつく必要は無いのですが、実際には嘘も言ってしまいます。なぜなら、ユーザーは往々にして、自分が商品を使用した時の事を必ずしも良く覚えてはいないからです。

最も簡単な解決策は、(ヒアリングやアンケートで質問する以外に)ユーザーがあなたの商品を使っている様子を観察する事です。

また(Webサービスの場合のアクセス記録など)可能な時には常に指標をチェックしてください。それによって、ユーザーがあなたの商品やサービスを利用する際の習慣や傾向を見出す事ができるでしょう。


4.先入観を持って質問しようとしていないか?

この諺を知っているでしょう。「ハンマーしか持っていない時は、何もかもが釘に見える」(注釈:視野が狭くなっている様子を表す諺の様です)

あなたが既にすごい機能やサービスのアイデアを持っている時は、顧客が言う事の全てが、そのアイデアを確信させるものになってしまいがちです。

もっと良いソリューションがあるかもしれない時でも。

フィードバックを求める時、あなたは完全にニュートラルな姿勢でいる必要があります。もしそれが不可能であれば、誰か他の人にインタビューさせるべきでしょう。あるいは、他の人々に手伝ってもらってください。


5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?

時には、あなたは既存の問題に関する事を繰り返し繰り返し質問するかもしれません。その事態は、あなたが顧客にとっての「お困り事」をまだ解決していない時に起きます。

もし顧客が同じ不平を言い続けている事に気付いたら、すぐにその問題を解決しましょう。さもなければ、あなたはまた大変な苦労をして新しい顧客を獲得しなければならなくなります。

逆に、いったんあなたがユーザーを悩ます大きな問題を解決すれば、次にはユーザーが抱えている他の問題について、実りのあるディスカッションをできる様になります。


6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない

顧客からフィードバックを得た後には、その情報が蒸発してしまう前に、次にやるべき事をタスクとしてスクラムボード(タスクボード)に掲示し、必要であればエンジニアたちが機能改善に着手しなければなりません。

これを実践しやすくするために、いくつか提案があります。
  • よりターゲティングした、インタビュー、テスト、サーベイなどを行う。焦点を絞っておく事で、あなたはより少ないデータでも念入りに調査する事ができ、問題について深く進みやすくなります。
  • 何人かの人々にインタビューを実際に観察して貰い、彼らが聞いた中で5つの最重要項目に絞る。そして、それぞれについてすぐにディスカッションする。これは、インタビューの後にノートやビデオを掘り下げて検証する、長くコストのかかるプロセスを取り去ります。
  • (Webサイトでコンバージョンレートの改善を行う様に)A/Bテストを活用する。これにより、データを集めて精査する時間を節約できます。「A/Bテストによって定性的なテストを成功させる方法」も参照してください。

原文では、最後に「常に顧客と接触し彼らのフィードバックを得て、商品を改良するための意見を得る事」と「コメント欄に意見をください」の2つの段落があります。

前者については、このブログの過去のエントリー「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」で私なりの意見を記していますので、そちらもご覧頂けると嬉しうございます。

...この方のブログ、参考になりますね(お礼の連絡をしなければ)。本文中でリンクを設定したエントリーをはじめ、折を見てまた紹介したいと思います。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>