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2011年2月5日土曜日

サイトの成功/失敗をどのように計測していますか-サイト滞在時間?新規/リピートビジター数?

前回のPV数、セッション数に関する注意点に続き、

今回は安直にアクセスレポートに含められる指標ながら、実は扱いづらい代物である「サイト滞在時間」と「新規/リピートビジター(ユーザー)数」について書き記します。

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」

先ずは、サイト滞在時間について。

サイト滞在時間は通常、全ユーザーがサイトに滞在した時間の平均を「分」で表す指標です(=「平均サイト滞在時間」)。これは、PV数やセッション数よりは少しだけ進んだ指標であると言えます。

なぜなら、一般的に

ビジターがサイトで過ごす時間が長くなる程に、コンバージョンの可能性は高くなる

という「傾向がある」とみなされている故です。

しかし、これはあくまでも「傾向値」「参考値」ととらえるべき程度のものであり、サイトのパフォーマンス測定においては、PV数やセッション数と同様に「スタート地点」でしかありません。

アクセス解析ツールのチャートを見ると、あなたははっきりと「平均サイト滞在時間」を日別に確認できるでしょう。例えば、2月4日は2分○○秒といった具合に。

しかし、この2分○○秒という数字は良いのか?悪いのか?普通なのか?…誰にもわかりません。

ビジターは、その2分○○秒の間、フラストレーションを感じる事なく快適に過ごす事ができて、満足してサイトを後にしたのでしょうか?

もしかすると、彼ら/彼女たちは、サイト滞在中にずっとあなたのサイトの使い方を把握しようと、四苦八苦していたのかもしれません。

あるいは、何人のビジターが、何種類のページを見た後に注文ボタンをクリックしてくれたのか?ギフトラッピングを希望した人数は?(明日発送など)急ぎの配送を希望した人数は?

どの疑問についても、サイト滞在時間のみからでは、推測すらできません。

前述の通り、一般的にはビジターがサイトで過ごす時間が長い程に、コンバージョンの可能性は高くなるとされています。しかし、もちろん「必ず」ではありません。傾向や法則には、たくさんの例外があるものです。


次に、新規/リピートビジター数に関して。

ほぼ全てのアクセス解析ツールに、ビジターのパーセンテージを「新規」「リピーター(二度目以上の訪問)」に分けて、チャートで表示する機能があります。

例えば、新規ビジターとリピートビジターの比率が3:7位であったと、円グラフが表示していたとします。

…サイト滞在時間と同様の問いです。あなたはこの数字から何を読み取れるでしょうか?

何が起きているのか、ではなく「このサイトは成功しているのか/失敗しているのか」を判断するには、そして改善策を考えるためには、

・新規/リピートビジターは、それぞれどこからやってきたのか?
・新規/リピートビジターの配分に変化が生じたのはいつか?
・変化が生じた時に自分のサイト、あるいは世間で何が起きていたのか?
・新規/リピートビジターで、サイト内の行動に違いはあるか?
・リピート率およびリピーターから得られている収益から計算して、自分のサイトのビジターのLTV(ライフタイムバリュー)はどの位と計算できるか?
・上記のLTVを考慮すると、新規のビジターを獲得するために現在投じているコストは適切か?

などを調査/検討しなければならず、アクセス解析においても必要な指標を収集できる仕掛けと体制が必要です。


前回と今回は、サイトの成功/失敗を計測する際に安易に逃げ込み易い指標について、警鐘を鳴らしてみました。

次回は「成功」について考えるべく、

「コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント」

について書き記します。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>