前回まではいわば序章で、5回にわたって主にWebサイトの存在目的や意義、ユーザーベネフィットなどに関する「根源的な」問い掛けを発してきました。
ぜひ、5つの問いに対する自分なりの回答を考えてみてください。完全な答えなどありませんが、「考える」事によって、サイトおよびサイト運営に関する新たな気付きをたくさん得る事ができると思います。
そして、
・「元々考えていた事」+「新たに気付いた事」を
・「5つの問い」に合わせて分類すれば、それが
・「あなたのWebサイトのコンセプト&ポリシー」となり、
今後のあらゆる活動の指針となります。
さて、今回からは、徐々に具体的な内容に入っていきます。
先ずは、その重要性を誰もが認めていながら、上司の無知または無関心に乗じて、アリバイ的な仕事で済まされている事が多いこの件。
「サイトの成功/失敗をどのように計測していますか?」
Webサイトにせよその他の情報システム全般にせよ、あるいはあらゆる仕事について、人は「効果測定」という知的作業に対して熱心ではありません。その理由は様々で、声を大にして訴えたい事も多々あるのですが、ブログの趣旨から外れるので、ここでは言及しません。
しかし、Webサイトに関わる皆さんはラッキーです。Webの世界では、効果測定のための指標やテクニックがたくさん用意されています。…だからこそ「やっているように見せかける」アリバイ仕事もやり易いわけですが。
これは恐ろしい事で、人々はやがてアリバイ仕事で上司を欺くだけでなく、自分自身をも納得させてしまうようになってしまいます。そう、例えばページビュー(PV)数を定期的にスプレッドシートに記録してチャートを作るだけで「自分はWebの効果測定を行っているマーケティング担当者である」とピュアに思い込んでしまっているケースも、悲しいほどたくさん見受けられます。
とはいえ、効果測定すなわち成功/失敗の計測方法に、絶対的な正解はありません。サイトの目的や目標が様々であるゆえに、計測方法も必然的に様々な指標の組み合わせのパターンが発生し得るのですね。
では、良く用いられる指標を、分類毎に順に検証していきましょう。
ページビュー(PV)数、セッション数
先ずは非常にポピュラーなこの2つ、PV数(閲覧されたページ数)とセッション数(訪問数)。
これらは、計測の基礎をなす指標です。収益を表すシンプルな計算式である、
集客数 × コンバージョン率 × 平均利益(1コンバージョンあたりの利益)
の、「集客数」の一側面を表すものなので。
しかし、当然ながら、これらの数字だけをチェックしても、何のヒントも得られません。10年間にわたって毎日記録し続けても、サイトの収益性は全く改善されないでしょう。
サイトの成功/失敗を分析するには、例えば次の疑問に対する解を得る必要があります。
・これらの数値を構成するビジターは、どこからやってきたのか?
・サイト内の、どのページがたくさん参照されているのか?
・何人のビジターが資料を請求したのか、見積を求めたのか、詳細な商品説明をリクエストしたのか?
・何人のビジターがサイト内で購入してくれたのか?
・一件のオーダーを獲得するために、どれだけのPV数やセッション数が必要だったのか?
・得られた収益に対して、投入したコストは適切だったのか?
などなど。
PV数、セッション数だけでは、サイトに「いくつの視線が注がれたのか」がわかるに過ぎません。
…続きは次回、
「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」
では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>