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2011年2月27日日曜日

AdWords-週1時間以内でできる、3つのチェックポイント



Google様から私たちビジネスパートナーに、素敵な小冊子(風に上手に折りたたまれたリーフレット?)が送られて来ました。タイトルは「AdWords 収益向上の秘訣  週1時間以下のチェックで収益力アップ」…素敵なタイトルではないですか。

今回はぜひ、この小冊子風リーフレットの内容を皆さんとシェアさせてください。AdWordsを有効に活用するための、勘所が凝縮されています。

というわけで以下、「要点を3分で頼む」という方向けの、要約+注釈です。

チェック1. 売上とコストの関係を確認しよう(毎月1回、約5分)

少なくとも月1回はAdWordsのROI(投資収益率)を、次の方法で確認しましょう。

ROIの計算方法:(売上ー広告費用) ÷ 広告費用
例:(売上20万円ー広告費用5万円) ÷ 広告費用5万円 = 3

この例では広告費用1円あたり3円の収益が得られる事を示しています(一般に、ROIがゼロより大きければ、AdWordsに投資した金額以上の見返りがあると言えます)

注釈1. 当然ですが、計算に用いる売上金額は、AdWordsから発生した売上のみを判別できる様、事前に段取を考えておきましょう。Googleのツールでは「コンバージョントラッキング」が便利です。
また、できれば売上では無く利益をベースに計算するべきで、そのためには各商品の粗利額を知っておく必要があります。

注釈2. コンバージョン1件あたりの売上(利益がベター)が、コンバージョン1件あたりのAdWords費用を上回っているか?を確認した方が、金銭感覚的に広告効果を把握しやすい人もいるかもしれません。このブログの過去のエントリー「CPC広告の投資対効果をどの様に計測していますか?」も参考にどうぞ。


チェック2. キャンペーンを定期的に見直そう(毎週1回、約30分)

ステップ1. 過去1週間の掲載結果を確認

管理画面で、過去7日間の「クリック率(CTR)」「平均掲載順位」「品質スコア」「コンバージョンデータ(コンバージョントラッキンングの導入が必要)」などの主要データを確認します。

ステップ2. キーワードリストの見直し

成果の低いキーワードがあれば、高い成果をあげているキーワードを参考に、より商品を具体的に表したものに変更しましょう。新しいキーワードの追加や、除外キーワード(商品に関連の無い広告の表示をブロックするキーワード)の設定も検討しましょう。

ステップ3. 新しい広告テキストをテスト

広告グループごとに様々な広告テキストを作成してクリック率を比較しましょう。なお、広告テキストにキーワードを挿入すると、そのワードが強調して表示されるので効果的です。

ステップ4. アカウントを適切に構成

新しい広告やキーワードを追加する際は、Webサイトでの商品の分類に合わせてアカウントを構成しましょう。広告グループのテーマを適切な分類に合わせて絞り込むために、キーワードは広告グループ内の他のキーワードや広告テキストと関連したものにします。ちなみに、広告グループに設定するキーワードは、15〜30個が目安です。

ステップ5. ユーザーに適切なリンク先ページを表示

広告をクリックした人が、探している商品をすぐに見つけられるページにしましょう。当然、コンバージョンにつながる可能性が高まります。

注釈3. 広告とランディングページの関連性は、品質スコアにも影響し、広告の掲載位置が決まる要因のひとつとなります。

チェック3. 入札単価と予算の最適化を図ろう(毎週1回、約10分)

ステップ1. 単価設定の調整によりROIを高める

基本原則は、成果の高いキーワードの入札単価を引き上げて、成果の低いキーワードの入札単価を引き下げる事です。成果については、コンバージョンデータを、コンバージョントラッキンングやGoogle Analyticsで確認しましょう。

ステップ2. ROIの高いキャンペーンに予算を多く配分

キャンペーンごとに、トラフィックの量ではなく、収益性の高低を比較しましょう。収益性の高いキャンペーンに予算を多く配分する事で、広告を途切れる事なく掲載して効果を最大化できます。

ステップ3. 最も効果的な時間帯に広告を掲載

一日を通じて最も収益につながりやすいトラフィックが集中する時間帯を見極めましょう。スケジュール設定機能により、キャンペーンの停止・再開時間や、時間帯別の入札単価を調整できます。


要約+注釈は以上です。ところどころ、より具体的な注釈を入れた方がわかりやすいかも?とも思いましたが、次回以降のエントリーで記していく事とします。

先ずは次回、「品質スコア」について書いてみようと思います。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月22日火曜日

顧客からのフィードバックが役に立たない理由



今回は、こちらのブログが大変参考になったので、紹介させて頂きます。
Why Your Customer Feedback is Useless

私のエントリーのタイトルが釣り針の様な表現になってしまいましたが、主旨は「顧客からのフィードバックは役に立たないものだ」というものでは無く、「なぜ役に立っていないのか、活用するにはどうすれば良いのか」という内容です。

英文読解が早い方、または時間をかけてもクオリティの高い原文を読みたいという方は、是非上記のリンクをクリックして、そのまま読んで頂くと良いと思います。

そうでない方や、「要点を3分で頼む」という方に向けて、私の判断と責任で要約&翻訳した内容を以下に記します。お口に合いますかどうか...

「顧客からのフィードバックが役に立たない理由」

あなたが自社の商品やサービスについて、ユーザーの意見を聞く場合は、次のそれぞれについて、充分に注意すべきでしょう。

1.質問の内容が間違っていないか?
2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?
3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない
4.先入観を持って質問しようとしていないか?
5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?
6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない


では順に、要約を記していきます。


1.質問の内容が間違っていないか?

先ず、一般的な人々が顧客の立場になった場合、得意な事と苦手な事がある、という点に注意しましょう。

顧客が得意な事

・不平を言う
・好きか嫌いかを言う
・他の商品と比較する
・特定のやり方を選択する理由を言う

顧客が苦手な事

・自分の未来の振る舞いを予測する
・自分が何についてお金を払うか予測する
・他の人々が何を好むか予測する
・人々が困っている事に対する、革新的なソリューションを考案する
・商品がもっと魅力的になる、新しいアイデアを考案する

というわけで、顧客の強みを利用した質問を発すると良いでしょう。例えば、

「最近この商品を使った時の経験と、どの様に使ったかについて話してください」
「次の5つの機能の中で、どれが一番好きですか?」
「(競合商品について)特にどの点が好きですか?どこが嫌いですか?」
「どの様な機能が追加されたら嬉しいと思いますか?」
「どうしたらこの商品がより使って楽しいものになると思いますか?」

等々。


2.正しい質問を、間違った方法で行おうとしていないか?

良い質問をできる様になるには、経験が必要です。また、そもそもあなたは自社の商品に近すぎるポジションにいるので、バイアスをかけてしまいがちです。

改善する最も良い方法は、あなたのヒアリングスキルについて、誰かに客観的で正直なフィードバックをしてもらう事でしょう。ただし、その人は「何をチェックすべきか」を知っておく必要があります。例えば、このエントリー "5 Things People Get Wrong When Talking to Users"を読むなどして。


3.顧客の言う事を、そのまま信じて良いとは限らない

ユーザーは、あえて嘘をつく必要は無いのですが、実際には嘘も言ってしまいます。なぜなら、ユーザーは往々にして、自分が商品を使用した時の事を必ずしも良く覚えてはいないからです。

最も簡単な解決策は、(ヒアリングやアンケートで質問する以外に)ユーザーがあなたの商品を使っている様子を観察する事です。

また(Webサービスの場合のアクセス記録など)可能な時には常に指標をチェックしてください。それによって、ユーザーがあなたの商品やサービスを利用する際の習慣や傾向を見出す事ができるでしょう。


4.先入観を持って質問しようとしていないか?

この諺を知っているでしょう。「ハンマーしか持っていない時は、何もかもが釘に見える」(注釈:視野が狭くなっている様子を表す諺の様です)

あなたが既にすごい機能やサービスのアイデアを持っている時は、顧客が言う事の全てが、そのアイデアを確信させるものになってしまいがちです。

もっと良いソリューションがあるかもしれない時でも。

フィードバックを求める時、あなたは完全にニュートラルな姿勢でいる必要があります。もしそれが不可能であれば、誰か他の人にインタビューさせるべきでしょう。あるいは、他の人々に手伝ってもらってください。


5.既存の問題をまだ解決していないのではないか?

時には、あなたは既存の問題に関する事を繰り返し繰り返し質問するかもしれません。その事態は、あなたが顧客にとっての「お困り事」をまだ解決していない時に起きます。

もし顧客が同じ不平を言い続けている事に気付いたら、すぐにその問題を解決しましょう。さもなければ、あなたはまた大変な苦労をして新しい顧客を獲得しなければならなくなります。

逆に、いったんあなたがユーザーを悩ます大きな問題を解決すれば、次にはユーザーが抱えている他の問題について、実りのあるディスカッションをできる様になります。


6.得た情報から、必ずアクションを起こさなければならない

顧客からフィードバックを得た後には、その情報が蒸発してしまう前に、次にやるべき事をタスクとしてスクラムボード(タスクボード)に掲示し、必要であればエンジニアたちが機能改善に着手しなければなりません。

これを実践しやすくするために、いくつか提案があります。
  • よりターゲティングした、インタビュー、テスト、サーベイなどを行う。焦点を絞っておく事で、あなたはより少ないデータでも念入りに調査する事ができ、問題について深く進みやすくなります。
  • 何人かの人々にインタビューを実際に観察して貰い、彼らが聞いた中で5つの最重要項目に絞る。そして、それぞれについてすぐにディスカッションする。これは、インタビューの後にノートやビデオを掘り下げて検証する、長くコストのかかるプロセスを取り去ります。
  • (Webサイトでコンバージョンレートの改善を行う様に)A/Bテストを活用する。これにより、データを集めて精査する時間を節約できます。「A/Bテストによって定性的なテストを成功させる方法」も参照してください。

原文では、最後に「常に顧客と接触し彼らのフィードバックを得て、商品を改良するための意見を得る事」と「コメント欄に意見をください」の2つの段落があります。

前者については、このブログの過去のエントリー「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」で私なりの意見を記していますので、そちらもご覧頂けると嬉しうございます。

...この方のブログ、参考になりますね(お礼の連絡をしなければ)。本文中でリンクを設定したエントリーをはじめ、折を見てまた紹介したいと思います。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月18日金曜日

CPC広告の投資対効果をどの様に計測していますか?



広大なWebやBlogの世界、そして書店には、偉大な広告配信システムであるGoogle AdWordsやYahoo!リスティング広告の活用方法を解説するコンテンツが溢れています。

今ここで、あらためてそれらと同様の内容を記す必要は無いですよね。そんなものを書いたら、このブログがコンテンツファームのごとき代物になってしまい、Google様からお咎めを受けるかもしれませんw

今回は、私が常々疑問と感じている事を、Twitterでは書き切れない程度の長さで記してみます。

人は、CPC広告やリスティング広告の予算を確保する際、稟議書に「効果測定が可能」だの「投資対効果(以下"ROI")が高い」といった、承認者層に「納得してもいいかな」と思わせる美しい言葉を並べます(この私の両眼が、何度もそれらを目撃しました)。

しかし...本当に「効果測定」を行って「ROI」を算出している企業は、全体の何%くらいだろう、と私はいつも寝付きが悪くなる程に心配しています。

これまでのエントリーでも触れてきましたが、そもそもサイトのパフォーマンスを
PV数やセッション数とかサイト滞在時間や新規/リピートビジター数あたりの数字でレポート化して、無知な上司に毎週提示しているだけの「アリバイ仕事名人」は(少数派だと信じたいのですが)確実に棲息しています。

ROIが「投資」vs「効果」である以上は、「効果」は必ず金額に換算しなければ、比較のしようが無いわけです。で、ビジターに期待するゴールが「商品の購入」である場合は、簡単に金額換算できます。

では、ゴールが「資料請求」「セミナー申込」「メールニュース会員登録」などの場合はどうしましょう?

そう、それらのゴール1件あたりの価値を金額に換算すれば良いだけですね。

「資料請求」「セミナー申込」「無料会員登録」それぞれを行ってくれたビジターの中の何%が電話やメールでの対話に応じてくれて、次に何%が商談に応じてくれて、さらに何%が見積や提案書の提出を受け付け、さらに何%がありがたく発注して頂いたかを記録していき、

総売上および利益を、コンバージョン(ゴール)の数で割れば、ゴール1件あたりの価値を金額に換算できます。

投資額は管理画面でいつでも確認できるので、CPC広告の「ROI」は実に簡単な作業で計算できます。

ところが...

コンバージョン>コンタクト>商談>見積・提案>成約 というファネル(Funnel、じょうご)の節目節目での数値を把握していない企業が、私には日本経済の行く末が心配になるほど多く存在すると見えています。

実際に「できてない」企業のマーケティング担当者の話を聞くと、

・当社には、SFA/CRMシステムが無いので数字を把握できない。

と仰る。「Excelでもできますよ」と進言し、実際にExcelシートをちょいちょいと作って差し上げると、今度は

・営業部門の協力が得られないので、数字を入力してもらえない。

と来る。それならば、

営業部門にとって、入力する事でメリットが得られる仕組みを考えれば良いのに。

例えば、営業プロセスのボトルネック(前述の、ファネルの節目節目の「細い」部分)を可視化できる様にするとか、Webから入ってきた貴重な見込客のフォロー状況を営業マネージャーがチェックできる様にするとか、あるいはCPC広告の予算を営業部門に賦課する事で、営業活動の生産性やROIに敏感になって貰う、とか。

そもそも、マーケティング担当者として「資料請求」「セミナー申込」「メールニュース会員登録」の、どの施策が最も効果的か?と自分で探求する意思が無い時点でアウト、完全なぶら下がり社員なのですが。


ところで以前、顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?とのエントリーを書いて、お客様のご意見はしっかりと受け止めましょうねぇ、という優等生的な発言をした私を挑発するかのようにw、

顧客からのフィードバックは、役に立たないと仰る方がシリコンバレーにおられる事を知りました。

非常に面白そうな記事なので、ぜひ謙虚な姿勢で記事を読ませて頂いて、私の考えを述べさせて頂きます。


次回は、

「顧客からのフィードバックが役に立たない理由」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月11日金曜日

オンラインとオフラインの違い-3つのポイント



オンラインでのマーケティング、プロモーション、ブランディングは、伝統的なオフライン(ラジオ、テレビ、印刷媒体)でのそれらと共通する点もありますが、基本的には大きく異なる代物です。

これから記すオンラインのメリットについて、オフラインメディアの運営者や、そこを主戦場とする広告代理店が脅威を感じている事は確かで、クライアントに提供するベネフィットの工夫や価格設定において、彼らの懸命な努力が見てとれます。

さてそれでは、今日はタイトルの通り「オンラインとオフラインの違い−3つのポイント」について語ってみます。

先ずはこれ。

早い、速い、とにかく早い速い。

例えばあなたが、新規にGoogle AdWordsの広告キャンペーンをスタートしたとします。

ターゲットとする地域は関東地方で、月曜から金曜の間で、いわゆるビジネスアワーと呼ばれる時間帯のみに広告を表示させる。

1回のコンバージョンに要するコストが2,000円となる様に、頭を絞って上限CPC(クリック単価)を設定。

もちろん、考えられ得る限りの工夫を凝らして、広告見出しやテキスト、広告グループ、キーワードおよび除外キーワードを仕込む。

...これらは大変な労を要する作業であり、精一杯頑張って設定を完了し、キャンペーンの開始にこぎ付けた時には心地良い達成感を感じる事でしょう。

しかし --何と言う事だ!-- よりによって、広告の「見出しテキスト」に誤字があるではないか!何たる失態。誰が見ても誤りは明らかだ。これではインターネット中で笑いものだぞ...

という事態になっても、幸運な事にこれはオンライン広告です。

誤字を修正すれば、速やかにGoogleおよびGoogleの検索パートナーサイトに修正が反映されます。そう、オフライン広告では不可能なこのメリットによって、ブランドイメージの低下やビジネスへの悪影響は最小限に抑える事ができるのです。

もし、テレビCMや雑誌広告で修正を加えようと思ったら...もし、リーフレット(ちらし)で全てを刷り直しとなったら...

そう、オンライン広告の修正は、オフライン媒体とは異なり、瞬時に可能なのです。


修正コスト? 無料です。

また、AdWordsでは瞬時に広告を修正できるのみならず、いかなる修正であっても(作業を外注していない限りは)、一切のダイレクトコストが発生しません。

オンラインのCPC広告の世界では、課金の対象は広告のクリック数のみです。エージェントに運用を委託していない限り、他にお金はかかりません。

そう、あなたが広告キャンペーンを作る際にも修正を加える際にも、代金を請求される事はありません。もちろん、インプレッション数に応じた課金もありません。なんと素晴らしい事でしょう。トラディショナルなオフライン広告の世界では、この様な幸運は起こりません。


正確性&定量性−いつでもROIを算定できる!

さて、キャンペーンの成果として、今日何人のビジターがあなたのサイトを訪問したか、広告主のあなたはチェックするべきでしょう。簡単にできます。ただGoogle Analyticsにログインして、今日のビジター数を確認すれば良いのです。

また、ランディングページの良し悪しを判断するために、複数のページを用意してどれがベストか試したいと欲するのであれば、Googleウェブサイトオプティマイザーにログインして、A/Bテストを設定すれば無料で直ちに比較検証をスタートできます。いつでもその時点までのテスト結果を確認できる事は申すまでもありません。

しかし、オンラインマーケターが受ける恩恵は、いつでもレポートを見る事ができる点にとどまりません。

スピードのみならず、「正確性」と「定量性」を享受できるのです。

ひと月にあるテレビCMが何人の人に観て貰ったか、正確な数を知る事は可能でしょうか?ラジオCMについてはどうでしょうか?あるいは、ある雑誌広告を見た人の数を正確に知る手段があり得るでしょうか?

それらを実現する手段はありません。オフライン広告がどの位効果があったのか、定量的に把握する事は不可能なのです。それは、ROI(投資対効果)を正確に算出できない事を意味します。そして修正も不可能となれば、あなたの選択肢はただひとつ、「運を天に任せて祈る」事のみです。

オンライン広告の場合はどうでしょう。

AdWordsの管理画面にログインすると、あなたはある商品のキャンペーンについて、月間に(例えば)合計1,679クリックを得た、と確認できるのです。これは、見積や推定では無く実測値です。

Googleはさらに、スパマーや姑息な競争相手による不正なクリック数を除去してカウントしてくれます。もちろん、それらのクリックについて費用を請求される事はありません。

オンライン広告においては、天に祈りを捧げる必要は無く、科学的なプロモーションが可能なのです!


さてさて、御託を並べるエントリーはそろそろ終わりにします。

次回からは、実際にビジネスという命がけのゲームで勝利するための武器として「Google AdWords」「Google Analytics」「Google ウェブサイトオプティマイザー」の有効な使い方について、順を追って書き連ねていきます。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月8日火曜日

いま一度、KPIというものを考える



今日は、皆さんご存知のKPI(Key Performance Indicators)について記します。

「いま一度、KPIというものを考える」

「ご存知の」と言いつつ、私が考えるところのKPIは、もしかすると皆さんが認識しているKPIと少々異なるものかもしれません。

KPIは、Webサイトのパフォーマンスを計測する方程式を解く際の、ヒントとなるべきものです。

誤解されやすいポイントですが、平均サイト滞在時間や直帰率の様な種類の指標をKPIとするべきではありません。あるいは、受注件数その他のコンバージョン数についても同様です。

KPIはその名の通り、Webサイトのパフォーマンスをマクロな視点とミクロの視点の両方から理解できる様に、助けてくれる指標でなければなりません。

例えば、

平均受注金額や、1回の訪問あたりの収益金額はKPIとなり得ます。

なぜなら、それらの数字を「分解」していく事によって、あなたは「分析」をできるからです。

分解->分析できない指標は、KPIとなり得ません。

あなたのWebがいかなるタイプのサイトであっても、常時監視するKPIを(サイトの目的に沿って)必ず複数設定しておきましょう。

KPIの考え方は非常に重要なので、洋書ではタイトルに「KPI」や「Key Performance Indicators」という語句を含む書物がたくさん刊行されています。一方で、不思議と日本ではタイトルに「KPI」を謳う書籍は見た事がありません。

Amazonで「KPI」を検索ワードにして「GO」ボタンをクリックしたところ、何故か「見える化」を含む本がたくさん現れました...「KPI」をタイトルに含む書籍は、やはり0件。

それはさておき。

あなたは一方で、

KPIの考え方を逆さまにした「KRI(Key Risk Indicators)」も気に掛けた方が良いでしょう。

例えば、あなたのサイトで新規のビジターのホワイトペーパーダウンロード率が所定のレベルよりも下降した場合は、すぐにプロモーション活動の見直しや、サイトに施した変更について検証すべきです。

KPI、KRIはともに「早期警告サイン」であり、大至急何かを変えなければ、または停止しなければならないというアラームとなるのです。

次回は、

「オンラインとオフラインの違い-3つのポイント」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月7日月曜日

顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?




今回のトピックはこちら、

「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」

あなたのサイトでは、ビジターからのフィードバックを受け付ける仕組みがありますか?
ビジターに、サイト訪問時に抱いた感想をたずねる努力をしていますか?

例えば、飲食店のマスターまたはシェフが「お味はいかがでしたか?」と顧客に声を掛けるように、あるいは温泉旅館の女将が「おくつろぎ頂けましたか?」と笑顔でたずねるように。

もしあなたが、

最も大切な人たちである「ビジター」の声を聞くための手段を持っていないのであれば、それこそが「とっても恐い事」です。

大至急、対処する事をお勧めします。


これはかつて、私があるネットショップの顧客アンケートを見せて頂いた際の数字です。アンケートに回答した人の、ショップに対する総合評価を集計した割合は、

・10人中8人に相当するビジターが、ネガティブな意見
・10人中1人に相当するビジターが、「特になし」といった主旨の回答
・10人中1人に相当するビジターが、ポジティブな声

...一般的に、人々は、あるショップから「いかに素晴らしい商品を買えたか」「どれほど気持ちの良いサービスを受けたか」とかという事よりも、「不愉快に思った事」「腹が立った事」について、積極的に発信する傾向があります。

それを、運営者のあなたにフィードバックしてくれるのであれば、神と崇めてありがたいと思わなければなりません。

なぜなら、ビジターの不満や怒りをサイト内で吸収できないと、

そのネガティブな感情は大きなうねりとなって様々なネットメディアに伝播し、「祭り」「炎上」へと発展しかねません。

そう。

完璧な人間が居ない様に、(あなたのサイトを含め)完璧なWebサイトなどありません。

ですから、いかなる批判や罵詈雑言をも恐れる事なく、あなたは何らかの形でビジターや顧客の意見を「積極的に」集める機能を、サイトに必ず備えましょう。

充分な数のフィードバックが集まったら、ビジターがあなたのサイトで遭遇した問題点の中に、類似点や相似点を見出す事でしょう。そして、大抵の場合、これらの問題点はあなたを含むサイトの「中の人」たちにとって、新鮮な発見であるはずです。

次のステップとしては、あなたはサイトをもっともっと良くする方法を探求する事になりますが、その際には外部の意見を聞く事も大変有効です。

それはたった一人で宝物を探すよりもずっと効率が良く、あなたのサイトを誰にとっても良いものへと改善するために、素晴らしく、美しく、賢い方法です。

次回は、

「いま一度、KPIというものを考える」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月6日日曜日

コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント



今日は、サイトを「成功」に導くためのヒントを考察してみます。

「コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント」

前回、前々回のエントリーで、

・何名のビジターがあなたのサイトを訪問したか?
・ビジターの視線がいくつのページを見たか?
・ビジターがどれくらい長い時間サイトを見ていたか?
・新規/リピートビジターの割合はどの位か?

などは、サイトの成功/失敗を分析する上でほとんど意味が無い事を説いてきました。引き続き、成功に導くためのヒントを考えてみます。


あなたが自身のサイトに関して常に考えているべきクエスチョンは、

「ビジターが、自分のサイトで"重要な"アクションを実行しているのか?」

です。重要なアクションとは(サイトの目的にもよりますが)、通常は「会社情報を見る」とか「役員の経歴を見る」などよりは、

・商品ブローシャーやホワイトペーパー(商品説明書または技術解説書)をダウンロードする
・ある商品についての詳細な説明を求めるリクエストを送信する
・あなたのサイトの会員として登録する
・サイト内で注文を完了する

といったアクションです。

あなたのマーケティング活動は全て --オンラインでもオフラインでも-- これらの重要なアクションの実行回数を増やすためにシフトチェンジ&アクセルオンされる必要があります。

さて、これらの「重要なアクション」に共通している事は何でしょう?

…一般的な経験則として、

ビジターがキーボードを使う時、チャンスは大きくなっている

と言われます。では、

ビジターが「喜んで」キーボードを操作してくれる仕掛けには、どんなものがあるでしょう?

あなたのサイトの目的に合った仕掛けを、ぜひ考えてみてください。


次回は、下記の重要な(そして有難く、時に恐ろしい)トピックについて書き連ねます。

「顧客/ビジターからのフィードバックは、とっても恐い?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月5日土曜日

サイトの成功/失敗をどのように計測していますか-サイト滞在時間?新規/リピートビジター数?

前回のPV数、セッション数に関する注意点に続き、

今回は安直にアクセスレポートに含められる指標ながら、実は扱いづらい代物である「サイト滞在時間」と「新規/リピートビジター(ユーザー)数」について書き記します。

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」

先ずは、サイト滞在時間について。

サイト滞在時間は通常、全ユーザーがサイトに滞在した時間の平均を「分」で表す指標です(=「平均サイト滞在時間」)。これは、PV数やセッション数よりは少しだけ進んだ指標であると言えます。

なぜなら、一般的に

ビジターがサイトで過ごす時間が長くなる程に、コンバージョンの可能性は高くなる

という「傾向がある」とみなされている故です。

しかし、これはあくまでも「傾向値」「参考値」ととらえるべき程度のものであり、サイトのパフォーマンス測定においては、PV数やセッション数と同様に「スタート地点」でしかありません。

アクセス解析ツールのチャートを見ると、あなたははっきりと「平均サイト滞在時間」を日別に確認できるでしょう。例えば、2月4日は2分○○秒といった具合に。

しかし、この2分○○秒という数字は良いのか?悪いのか?普通なのか?…誰にもわかりません。

ビジターは、その2分○○秒の間、フラストレーションを感じる事なく快適に過ごす事ができて、満足してサイトを後にしたのでしょうか?

もしかすると、彼ら/彼女たちは、サイト滞在中にずっとあなたのサイトの使い方を把握しようと、四苦八苦していたのかもしれません。

あるいは、何人のビジターが、何種類のページを見た後に注文ボタンをクリックしてくれたのか?ギフトラッピングを希望した人数は?(明日発送など)急ぎの配送を希望した人数は?

どの疑問についても、サイト滞在時間のみからでは、推測すらできません。

前述の通り、一般的にはビジターがサイトで過ごす時間が長い程に、コンバージョンの可能性は高くなるとされています。しかし、もちろん「必ず」ではありません。傾向や法則には、たくさんの例外があるものです。


次に、新規/リピートビジター数に関して。

ほぼ全てのアクセス解析ツールに、ビジターのパーセンテージを「新規」「リピーター(二度目以上の訪問)」に分けて、チャートで表示する機能があります。

例えば、新規ビジターとリピートビジターの比率が3:7位であったと、円グラフが表示していたとします。

…サイト滞在時間と同様の問いです。あなたはこの数字から何を読み取れるでしょうか?

何が起きているのか、ではなく「このサイトは成功しているのか/失敗しているのか」を判断するには、そして改善策を考えるためには、

・新規/リピートビジターは、それぞれどこからやってきたのか?
・新規/リピートビジターの配分に変化が生じたのはいつか?
・変化が生じた時に自分のサイト、あるいは世間で何が起きていたのか?
・新規/リピートビジターで、サイト内の行動に違いはあるか?
・リピート率およびリピーターから得られている収益から計算して、自分のサイトのビジターのLTV(ライフタイムバリュー)はどの位と計算できるか?
・上記のLTVを考慮すると、新規のビジターを獲得するために現在投じているコストは適切か?

などを調査/検討しなければならず、アクセス解析においても必要な指標を収集できる仕掛けと体制が必要です。


前回と今回は、サイトの成功/失敗を計測する際に安易に逃げ込み易い指標について、警鐘を鳴らしてみました。

次回は「成功」について考えるべく、

「コンバージョン、ゴール、サクセスのヒント」

について書き記します。

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月4日金曜日

サイトの成功/失敗をどのように計測していますか-PV数やセッション数?

前回まではいわば序章で、5回にわたって主にWebサイトの存在目的や意義、ユーザーベネフィットなどに関する「根源的な」問い掛けを発してきました。

ぜひ、5つの問いに対する自分なりの回答を考えてみてください。完全な答えなどありませんが、「考える」事によって、サイトおよびサイト運営に関する新たな気付きをたくさん得る事ができると思います。

そして、

・「元々考えていた事」+「新たに気付いた事」
・「5つの問い」に合わせて分類すれば、それが
・「あなたのWebサイトのコンセプト&ポリシー」となり、

今後のあらゆる活動の指針となります。

さて、今回からは、徐々に具体的な内容に入っていきます。

先ずは、その重要性を誰もが認めていながら、上司の無知または無関心に乗じて、アリバイ的な仕事で済まされている事が多いこの件。

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますか?」

Webサイトにせよその他の情報システム全般にせよ、あるいはあらゆる仕事について、人は「効果測定」という知的作業に対して熱心ではありません。その理由は様々で、声を大にして訴えたい事も多々あるのですが、ブログの趣旨から外れるので、ここでは言及しません。

しかし、Webサイトに関わる皆さんはラッキーです。Webの世界では、効果測定のための指標やテクニックがたくさん用意されています。…だからこそ「やっているように見せかける」アリバイ仕事もやり易いわけですが。

これは恐ろしい事で、人々はやがてアリバイ仕事で上司を欺くだけでなく、自分自身をも納得させてしまうようになってしまいます。そう、例えばページビュー(PV)数を定期的にスプレッドシートに記録してチャートを作るだけで「自分はWebの効果測定を行っているマーケティング担当者である」とピュアに思い込んでしまっているケースも、悲しいほどたくさん見受けられます。

とはいえ、効果測定すなわち成功/失敗の計測方法に、絶対的な正解はありません。サイトの目的や目標が様々であるゆえに、計測方法も必然的に様々な指標の組み合わせのパターンが発生し得るのですね。

では、良く用いられる指標を、分類毎に順に検証していきましょう。

ページビュー(PV)数、セッション数

先ずは非常にポピュラーなこの2つ、PV数(閲覧されたページ数)とセッション数(訪問数)。

これらは、計測の基礎をなす指標です。収益を表すシンプルな計算式である、

集客数 × コンバージョン率 × 平均利益(1コンバージョンあたりの利益)

の、「集客数」の一側面を表すものなので。

しかし、当然ながら、これらの数字だけをチェックしても、何のヒントも得られません。10年間にわたって毎日記録し続けても、サイトの収益性は全く改善されないでしょう。

サイトの成功/失敗を分析するには、例えば次の疑問に対する解を得る必要があります。

・これらの数値を構成するビジターは、どこからやってきたのか?
・サイト内の、どのページがたくさん参照されているのか?
・何人のビジターが資料を請求したのか、見積を求めたのか、詳細な商品説明をリクエストしたのか?
・何人のビジターがサイト内で購入してくれたのか?
・一件のオーダーを獲得するために、どれだけのPV数やセッション数が必要だったのか?
・得られた収益に対して、投入したコストは適切だったのか?

などなど。

PV数、セッション数だけでは、サイトに「いくつの視線が注がれたのか」がわかるに過ぎません。

…続きは次回、

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますかーサイト滞在時間?新規/リピートビジター数?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>

2011年2月1日火曜日

5.あなたは、どのようにWebサイトの存在を世間に知ってもらいますか?



前回のエントリーの最後のパラグラフに、「もしあなたがビジターを魅了する素晴らしいベネフィットを提供できて、かつそれを上手に世間に知らしめることができれば...」という一文を記しました。

そこで今日のトピックは、

「根源的な問い5.あなたは、どのようにWebサイトの存在を世間に知ってもらいますか?」

ちなみに私はこのブログのコンテンツの柱として、Google AnalyticsとAdwords、およびそれらに関連するツールの「ちょっといい話」を紹介していきたいと思っています。

でも、それはもう少し先のお話で… 先ずはツールやテクニックの前にもっと基本的な「考え方」を皆さんと一緒に考察してきました。今回は「サイトのプロモーション」について記し、5回にわたって書き連ねてきた「根源的な問い」の最後のエントリーにしようと思います。


Webの世界は「ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ」的な、タイガーマスクの主題歌が歌い上げるかのような戦いのジャングルです。敢えて言うならば、悪党と正義の区別も時には曖昧です。

ルール無用、そう、法律は常にインターネットの進化の後塵を拝する存在にしか過ぎません。

法律どころか、学歴・年齢・性別はもちろん、あなたの経験がどんなに豊富であろうと、どれほど高度なスキルを持っていようと、この世界でのあなたの成功を保証するものは何ひとつ無いのです。

さらに、あなたが考えた「素晴らしいアイデア」は、いとも簡単に、想像を絶する早業で真似をされます。間違いないです、素晴らしいものほど。

ちなみに、ビジネスモデルやソフトウェアの世界で、「特許取得」は考えない方が身のためです(試しに、弁理士さんに相談してみてください)。それよりも、ひとつのアイデアに陶酔せずに早く「次の手」を考えた方が得策です。

一方で、デジタルネイティブのハイティーンは --メガバンクや総合商社の仕事を志すのであれば、大学で良い成績を収めて卒業した上で、下積みから経験を積み重ねていく必要がありますが-- Webの世界では才覚次第で、ごく短期間であらゆるサイトよりも有名なものを創り出せる、つまり大量のビジターを獲得できる可能性がある、恐るべき世代なのです。

言い替えると、

あなたのWebに大量のトラフィックをもたらす絶対的な手段は無い

という前提で考えなければなりません。

あなたが自身のサイトのプロモーションプランを考える時は、

「あなたのWebは世界に何をもたらすのか」

を今一度しっかりと定義し、そのために

「あなたのWebが世界に発信すべきメッセージと表現方法は何か」

そして

「メッセージを伝える手段や媒体(オンライン&オフライン)は何と何と…(繰り返し)…何と何があるのか」

を考えに考えて考え抜き、一貫性のある、継続的で地道な努力を続けなければなりません。それは投資と効果の最適化を求める、終わりの無い努力の繰り返しでもあります。

この戦略と戦術を考えて、そして計画的かつ継続的に実行できるかどうか。それが、あなたのサイトの成否を決定します。


さて、これで序章に代えての「5つの根源的な問い」は終わりとなります。

次回からは新展開としますが、先ずは非常に重要にして、しかし不幸にして多くのサイトで蔑ろにされがちなトピックからいきましょう。

次回は、

「サイトの成功/失敗をどのように計測していますか?」

では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>