2011年4月26日火曜日
EFOのツボ×10選 (有料のツールに走る前に知っておきたい基本)
今日はEFO(Entry Form Optimization、エントリーフォーム最適化)について記します。
EFOについては便利な有料のツールがたくさん出回っていますが、先ずは基本をおさえてできる事から実践してみて、選択眼を養ってから有料のツールを選択した方が良いと思います。
基本的な心構えとして、エントリーフォームを開いたビジターは、リアル店舗に例えると「ショップスタッフに近づいて行った来客」です。もちろん、あなたはショップスタッフであり、エントリーフォームはその分身です。満面の笑顔で、お客様のどんなお困り事にも最善を尽くして対応する覚悟で臨みましょう。
では早速、順番に挙げていきます。
1.入力項目は極力少なくする。
ビジターの視点で、最も理想的なフォームは入力欄がメールアドレスだけというものです。これをスタート地点として、どうしても必要な項目のみを最小限、追加して行きましょう。
アンケート欄や住所入力欄を設けるのは、最後の手段と思ってください。何かを郵送する場合など、本当に必要であれば止む無しですが、その場合でも郵便番号から住所を検索する機能は、今どき必須中の必須ですね。それを面倒だと嫌がるクリエイターは、業界から消えて頂きましょう。
2.入力必須項目と任意項目を、直感的に区別できるように。
そもそも任意項目などは無いのが理想的ですが、そうもいかない場合は、人間の目線の動きを意識して、100人のビジター中 100人が「必須」と「任意」をひとつも間違えない、そんなフォームにしましょう。
3.エラーメッセージはわかりやすく。
どの入力項目で何がエラーなのか、ビジターが1秒以内にわかる「場所」と「表現」で表示しましょう。特に「場所」は重要です。必ずエラーが発生している入力フィールドのそばに配置するのが当然と心得ましょう。
4.エラー発生箇所を目立たせる。
前項の心得に加えて、エラー発生箇所に目立つ色を使って反転表示させるなどすると、ビジターがエラー箇所を発見する時間がさらに0.5秒以上短縮されるでしょう。
5.エラーを発生させないように、あらゆる書式を受け入れる。
そもそも、入力エラーを発生させないためにはどうすれば良いか?これを真剣に考えましょう。入力項目を減らすのが最も有効ですが、電話番号のハイフン有り無し、数字の全角半角漢字、全てを受け入れる度量が必要です。
6.入力された情報を保存する。
入力中にPCやネットワークにトラブルが起きたとか、止むを得ない事情で入力を中断した人を、菩薩様の気持ちで救済しましょう。実装が面倒だとか思ってはいけません。あなたは菩薩様なのですから。
7.ブラウザの「戻る」ボタンを使用不可にしない。
アプリ開発に関わった事がある人は「戻る」ボタンが押される事を好まないケースが多いのですが、一般的なビジターの皆さんは「戻る」ボタンが大好きです。というか「戻る」ボタンを使用不可にするのはもはや嫌がらせである、と悔い改めましょう。
8.フォーム上の文章は最少で、しかしわかり易く。
フォーム上に文章が多いと、「これ全部読めっての?面倒くさ」と気分を害するのが自然な人間心理です。簡潔でわかり易い文章を、脳細胞を結集させて考えましょう。
9.親切なヘルプを簡単に表示させる。
どんなに必死にわかり易いテキストを考えても、やはり全てのビジターが全てを理解する事はあり得ないと心得て、少しでもビジターが戸惑いそうな入力欄には、[?]表示→クリック→解説を表示、の様な親切なヘルプを用意しましょう。それを面倒だと嫌がるクリエイターは(以下しつこいので略)
10.ビジターに安心して頂く。
インターネットの世界は、深夜の歌舞伎町以上に恐いところだ、と思っている人はたくさんいます。安心して情報を入力して頂くために、フォーム画面の中では「個人情報保護法を遵守」「SSLで暗号化」「デジタル証明書」の3点セットは必ず謳って/表示しておきましょう。
...まあ、当たり前の事ばかりなのですが、基本中の基本を書き留めたブログがあってもいいかなw なんて思ってみたり。
では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>
2011年4月13日水曜日
SEM・これだけはやってはいけない 10選
さて今日は、SEMについて「それだけはヤっちゃダメ」×10ヶ条を記してみます。ここでは、SEOを含まない狭義のSEMと言いますか、いわゆる「検索連動型リスティング広告」に限定した話題ですのでご了承を。
ダメ1. いきなり大量の予算を設定してしまう
例えば年間の総予算を獲得できたとします。それを単純に12等分して、最初の月から1/12の金額を上限設定するのは、お金の無駄遣いですから止めましょう。例えSEMに精通した人であっても、新しい商品、新しいキャンペーンとなれば、試行錯誤を経てROIが最適化されていくのが常です。先ずは少な目の予算上限設定からスタートしましょう。
ダメ2. ビッグワードに挑みかかる
「化粧品」とか「中古車」といったビッグワード単体での検索ボリュームは、月間で150万~200万件にも達します。これだけたくさんの潜在顧客がいる!とは間違っても思わず、手ごわい競合他社の広告がたくさん出てくる、と解釈しましょう。
自社のビジネスのテーマに沿った単語をひとつ、例えば「アンチエイジング」とか「輸入」などと加えるだけで、検索ボリュームはかなり減少しつつ、厳選された潜在顧客のみに向けて、少ない競合他社との勝負に持ち込む事ができます。
ちなみにキーワード探しについては、このブログの前回のエントリー、「キーワード探しは、自分探しの旅(サイトに適したキーワードを選ぶ)」もご参考にどうぞ。
ダメ3. ずさんな予算配分
以前、「AdWords-週1時間以内でできる、3つのチェックポイント」とのエントリーで、「成果に応じた、キーワードごとの単価設定」「ROIに応じたキャンペーンごとの予算配分」「最も効果的な時間帯に広告を掲載」といった事を書きましたが、まあそんな感じで、毎週1回、10分だけでも費やして、予算配分を必ず見直しましょう。
ダメ4. CPCの損益分岐点を考慮しない
こちらも上記と同じエントリーで、「売上とコストの関係を確認しよう」「入札単価と予算の最適化を図ろう」との呼びかけを行ってみました。損益分岐点に敏感になるのは当たり前のはずですが...会社のお金について損得に鈍感な人は、「ぶら下がり社員」認定ですね。
ダメ5. 登録したキーワードをチェックしない
これももちろん、定期的な(毎週の)チェックが前提になります。成果の低いキーワードがあれば、高い成果をあげているキーワードを参考に、より商品を具体的に表したものに変更しましょう。
ダメ6. SEOと全く同じキーワードばかりを選んでしまう
例えば本ブログの前回のエントリーを参考にしたりして、最重要キーワードや重要キーワード群を選び抜いた時の、キーワード管理リストを見直してみてください。それらのキーワードと、同じ意味だけど別の言葉、同じ意味を表す英語その他のポピュラーな外来語などはありませんか?CPC広告では、そういったワードで検索する人たちも想定して、キーワードリストに加えてみましょう。
ダメ7. 競合他社の広告テキストの偵察を怠る
広告グループの中で様々な広告テキストを作成し、クリック率を比較する必要があるのはもちろんですが、その際には「敵の戦い方」も偵察してテキストを考慮しましょう。「この広告テキストで勝負できるか?」は、競合他社が表示させている広告と比較するとわかりやすいはずです。
ダメ8. 季節性や地域性を考えない
例えば自動車でも、春夏秋冬、それぞれに応じた使い方や行き先がありますよね。様々な使用シーンを想像して、検索ワードに季節の変化を付けてみましょう。
また、「瞬!ワード」の様なサイトで、「今」検索数が多い、旬のワードを自社の商品と結び付けてみるのも良いかもしれませんね。
あとは、地域性。これは非常に大事です。遠方のお客様にはサービスを提供できない場合は、無駄なクリック=コストを抑えるために、必ず「ターゲット地域」(AdWords)、「地域ターゲティング」(Yahoo!リスティング)で、広告を表示させる地域を限定しましょう。
ダメ9. 「完全一致」や「除外キーワード」の設定を検討しない
デフォルトの「部分一致」だけでは、無駄な検索を呼び込んで、クリック率を下げる(=品質スコアを下げる)危険性があります。「完全一致」を使うと自社の商品にピタリとあったターゲットのビジターを誘い込める可能性がありますし、「除外キーワード」を用いると、同じ単語でも全く違う意味を持つものを検索しようとしているビジターを除外する事ができるのです。
...ちなみに、「クラウド」で検索すると、クラウドコンピューティング関係のサイトに混じって、美少女ゲームブランドについてのサイトや、某有名タレントのオフィシャルブログが登場したりします。こんなケースでは除外キーワードが活躍しそうですね。
ダメ10. むやみに検索して、広告を表示させてみる
これは企業内で非常にありがちな光景です。経営層から営業部門から技術部門から、果ては広告出稿の主体たるマーケティング部門まで、全社の至るところで自社のリスティング広告がどんな順位で、どの様なイメージで表示されるか確かめてしまう、そんな光景に覚えはありませんか?
クリックすると料金が発生するのでさすがに皆さん、クリックはしないと思いますが、クリックしなくても弊害が発生します。そう、クリック率が落ちる=品質スコアが落ちるのです。なんと恐ろしい。全社的に注意を喚起しておきましょうね。
さて、今日はこの辺で。
では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>
2011年4月5日火曜日
キーワード探しは、自分探しの旅(サイトに適したキーワードを選ぶ)
前回のエントリー3分でわかる、かもしれない「SEO・内部対策30選」で、30選の最初に書いた「対策の対象とする、キーワードを適切に決める」、その方法について今回は記します。こちらを先に書いた方が良かったですね。
あなたが自分のサイトにリンクさせたいと思っているキーワードは、実は大企業のサイトや人気サイトとは勝負にならないレッドオーシャンなワードかもしれません。あるいは、他の人や検索ロボットから見たら、サイトとの関連性がわかりづらいワードかもしれません。また、本当に自分のサイトにピッタリで、多くの人から探してもらいやすいワードを見逃しているかもしれません。
そう、キーワード探しは、自分探しの旅なのです。
...さて、先ずは旅立ちの準備として、自分のサイトの軸となるテーマをひとつだけ決めてください。
次に、自分のサイトのテーマに合った、ユーザーがいかにも検索に使いそうなキーワードを、複合語を含めてたくさん想像してみましょう。これらのワードをベースに取捨選択、追加していくのが「キーワード探しの旅」です。
次いで、「AdWords キーワードツール」を用いて、それらのキーワードによる検索ボリュームや、よく組み合わされる複合語の例をチェックしてみましょう。
※チェックしたキーワードは、「ダウンロード」ボタンによって一覧をExcel用csvファイルにエクスポートできます。この一覧を以後、「キーワード管理リスト」と呼びます。
キーワード管理リストを精査して、「検索ボリューム」と「自分のサイトのテーマに合致しているか」の両面から重要度を判定して順番を並び替えておくと、その後のサイトづくりや検索エンジン対策に大いに役に立ちます。
というよりも、この考察と作業を怠ってしまうと、ボタンを掛け違えたままサイトの制作&運営へと突き進む、勝つ算段の無いチキンレースへと突入してしまいます。
さて次は、AdWords キーワードツールのウラ技を使いましょう。
それは「人気サイトに効いているキーワードを拝借する」という荒業です。
手順は、自分のサイトと同ジャンルの人気サイトと、自分のサイトの検索に想定しているキーワードで検索した時に上位に表示されるサイトのURLを逐一コピーして、AdWords キーワードツールの「ウェブサイト」欄にペーストし、「検索」ボタンをクリックするだけです。
するとあら大変、その人気サイトに有効な検索ワードの一覧が、画面の下半分に検索ボリュームや競合性と共に表示されます。この一覧も「ダウンロード」ボタンでcsv形式にエクスポートできるので、検索ボリュームが多いワードは是非、キーワード管理リストに加えておきましょう。
さて、ここでさりげなく「競合性」という言葉が出てきましたが、これは「競合するページがどれだけ存在するか」という視点であり、検索ボリュームと同様に考慮すべき重要な事項です。
まあ通常は検索ボリュームが多いキーワードは競合性も高い傾向にあるわけですが、「競合性が高くても、他のサイトがそのキーワードは重視していない」場合、そのワードは掘り出し物と言えるでしょう。
掘り出す方法は3種類。検索ボリューム&競合性が高いキーワードで検索を実行し、表示されるサイトの一覧から、下記をチェックしてみましょう。
- ページのタイトルにそのキーワードが含まれているか? 重視されているワードは、タイトルに含まれているはずです。含まれていなければ掘り出し物。
- URLのスラッシュを数えてみる スラッシュが多い、すなわち階層が深いページにあるという事は、そのワードは重視されていないと見て良いでしょう。
- PageRank PageRankの低いページにばかり使われているようでは、そのキーワードは恐れるに足らず。いやそれは言い過ぎw
そんな感じで掘り出し物キーワードが見つかったら、キーワード管理リストの中でマーキングしておきましょう。
ところで、キーワードツールの他にも、キーワード探しに役立つ代物があります。
それは「関連検索」。GoogleでもYahoo!でも、検索結果画面の最下部に、「...に関連する検索キーワード」(これはGoogleの例)といった形で、検索に用いたワードに関連するワードが10種類ほど表示されます。ここにも「これは!」と思う検索ワードがあれば、是非キーワード管理リストに加えましょう。
さてさて、キーワード管理リストが熟成されてきたら、いよいよ「自分のサイトにとっての、メインのキーワード」を選定しましょう。「キーワード探しの旅」のクライマックスです。
先ず、冒頭で定めた自分のサイトの軸となるテーマに、最もマッチするキーワードをひとつだけ決めてください。これは、ページタイトルの先頭に配置する最も重要なキーワードです。「最重要キーワード」と呼びましょうか。
次いで、キーワード管理リストの中から、「自分のサイトのテーマにふさわしい」「検索ボリュームが大きい」「掘り出し物キーワード」の3つの視点で、キーワードをピックアップしていきます。
サイトのテーマに地域が関連する場合は当然地域名も重要なキーワードになりますし、ECサイトの場合はショッピングの定番用語「割引」「格安」「激安」「送料無料」「口コミ」「おすすめ」「人気」「評判」「注目」「厳選」「安心」なども有効でしょう。選択されたキーワードたちは、「重要キーワード群」とでも呼びましょう。
遂にこれで、「自分のサイトの軸となるテーマ」「最重要キーワード」「重要キーワード群」がより抜かれました。さあ、前回の3分でわかる、かもしれない「SEO・内部対策30選」を参照して、人間にも検索ロボットにも好かれるサイトを作りましょう。Good Luck!
...SEO的な話題が続いたので、次回はSEMについて書いてみようか、と思います。
では、またのお越しをお待ちしております <(_ _)>